2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

谷川俊太郎 『死んだ男の残したものは』

死んだ男の残したものは ひとりの妻とひとりの子ども 他には何も残さなかった 墓石ひとつ残さなかった 死んだ女の残したものは しおれた花とひとりの子ども 他には何も残さなかった 着もの一枚残さなかった 死んだ子どもの残したものは ねじれた脚と乾いた涙…

「本の楽しみ」って?

日本本楽家協会会長ちいらば氏より、「本の楽しみ」について記事を書けという指令がくだりました^^ ねこでも入れる寛大な協会らしいです(笑) 本は子供のころから大好物で、読んだり並べたり撫でさすったり舐めたり(ねこですから^^) しかしながら、最…

北森 鴻『孔雀狂想曲』

狐シリーズでおなじみになった、雅蘭堂店主越名の活躍するお話です。 下北沢に在る雅蘭堂は骨董店と名乗るのもおこがましいような、小さな古道具屋である。 押しかけアルバイトの女子高生安積と店主越名の掛け合いが聞こえるこの店。 ジッポー、ジャンクカメ…

高村光太郎『ぼろぼろな駝鳥』

何が面白くて駝鳥を飼ふのだ。 動物園の四坪半のぬかるみの中では、 脚が大股過ぎるぢゃないか。 顎があんまり長過ぎるぢゃないか。 雪の降る国にこれでは羽がぼろぼろ過ぎるぢゃないか。 腹がへるから堅パンも食ふだらうが、 駝鳥の眼は遠くばかりみてゐる…

佐藤春夫『秋刀魚の歌』

あはれ 秋風よ 情(こころ)あらば 伝へてよ ――男ありて 今日の夕餉(ゆうげ)に ひとりさんまを食らひて 思ひにふけると。 さんま、さんま、 そが上に青き蜜柑(みかん)の酸(す)を したたらせて さんまを食ふはその男がふる里の ならひなり。 そのならひを あや…

北森 鴻 『花の下にて春死なむ』

民俗学や骨董といったマニアな世界から、一転ビアバーという日常的な場所を舞台にした本書。 蓮杖那智シリーズや狐シリーズとはまた違った新しい北森鴻の魅力を知ることができました。 ビアバー「香菜里屋」に集まる様々な人々、彼らが持ち寄った謎をマスタ…

西条八十 『蝶』

やがて地獄へ下るとき そこに待つ父母や 友人に私は何を持っていかう。 たぶん私は懐から 蒼白め破れた 蝶の死骸を取り出すだろう。 そうして渡しながら言ふだろう。 一生を子供のようにさみしく これを追っていました、と。 新聞のコラムで見つけた一編の詩…

昨日は卒業式

実は昨日、息子はめでたく小学校を卒業いたしました。 最近の子供たちには珍しく、えらくノリのいい学年で、よく言えば無邪気で純真、逆に言えば幼い子供らでした。 やはり女の子は涙で卒業証書を受け取る子が多くて、私も思わず目頭を熱くして見ておりまし…

奥田英郎 『ララピポ』

最近、奥田氏の作品は自分の中でかなりポイントが高くなっているのですが、この作品に関してはどうなのかな、といった感想を持ちました。 なんせ登場人物の駄目なことでは定評がある作者ですが、この駄目ッぷり、負け犬ぶりは普通ではありません。第一章を読…

男と女、本の好みはどれだけ違うのか?アンケート

いつもお世話になっているりあむさんのブログで、男と女、本の好みはどれだけ違うのか?アンケートという記事を見つけました。 全部で86冊の候補作が挙げられていて、そこから自分の好きな10冊を選ぶというもの。 このアンケートのポイントは、男女別であ…

高嶋哲夫 『TSUNAMI -津波-』

来る来ると言われ続けて、ぜんぜん来ない東海大地震ですが阪神淡路大震災の記憶も薄れた最近では 、もう防災意識も同じように薄れ始めているのではないでしょうか。 「M8」の続編である本書は、東海、東南海、南海大地震が発生した日本の最悪のシナリオを…

王JAPAN、世界一!

おめでとう!世界一! やはり勢いは落ちていませんでしたね。 途中幾度かのピンチを迎えながらも、素晴らしい守備、アグレッシヴな攻撃で勝ちきりました。 ボブ君の誤審問題あたりから注目していたWBCですが、みごとな優勝でした。 韓国戦に見せたイチロ…

星点灯!ありがとうございます!

今日気がついたのですが、人気度のところに星が黄色く光っていました。 あれ?まだまだだと思っていたのに。。。 嬉しい驚きです。 訪問者数は今現在3905ですが、コメント数が効いたのでしょうね。 こけつまろびつの記事に様々なコメントやTBをくださ…

ワンクリックで募金

とてもマルドロールなデザイナーamaiさんのブログで紹介されていたサイトです。 クリックされた企業が募金をしてくれる変ったシステム。 ちりも積もれば系の1クリック1円ですが、毎日でもクリックできます。 募金先も指定できたり、いろいろ工夫されていま…

恩田陸 『エンドゲーム -常野物語-』

本書は常野物語シリーズ、「光の帝国」の短編「オセロゲーム」の続編にあたります。 常野一族でも異質な能力を持つ、拝島家。「やつら」を見つけ「裏返す」能力を持っている。 しかし、十年以上前に父は失踪、どうやら「やつら」に「裏返された」らしい。 人…

川田弥一郎 『白い狂気の島』

「白く長い廊下」に続く著者2作目の医療ミステリです。 狂犬病清浄国の日本で、39年ぶりに患者が発生した。台風接近で孤立した幹根島を襲う白い狂犬の恐 怖。 誰が、いつ、どこから、島に持ち込んだのか?島の青年医師・窪島典之は恋人ちづるの協力を得て、事…

「丁寧」と「もったいない」

がさつな私がこんな話題をとりあげてよいのだろうか、と自問しつつ書いています。 というのも、最近若者たちに限らず、逆切れする人々が増加しているニュースなどを、よく見たり読んだりする機会が増えているのですが、その原因にあまり言われていないこの二…

張 平 『十面埋伏』

中国については、文学作品も、国際情勢もかなり無知な部類にはいる私ですが、この作品はあまりの面白さに一気に読んでしまったほど引き込まれました。 作者の張平(ジャンピン)は現代中国の実力派作家で、中国が抱える社会問題、政治問題を鋭い筆致で描き出…

小さなまなちゃんに心臓移植を

ひーさんのブログで紹介されていた、まなちゃんは生後5ヶ月で「拡張型心筋症」と診断され、助けを求めています。 手術をしないと、余命半年と宣告されております。 現在、生後8ヶ月余りの為、一刻も早く渡航する必要があります。 おさない命を助けてあげて…

蒼井上鷹『九杯目には早すぎる』

あおいうえたか。あいうえお、みたいな名前の作者。 この本がデビュー作らしいです。 九つの短編が収められています。一つ読むたびに一杯のグラスが空になっていく洒落た装丁。 作風はユーモラスで奇妙な味わいのミステリといえるでしょう。 ひねりもきいて…

島田荘司 『摩天楼の怪人』

いまさらと言う感じもありますが、最近遠ざかっていた島田荘司を、また読み始めています。 「アトポス」以後読んでないので、いろいろ楽しめそうな作品が待っててくれるのではないかと、期待が高まっています。 この「摩天楼の怪人」は評価も高く、実際読ん…

『マニトゥ』そして『ザ・キープ』

こんばんは、ホラー映画のお時間です。 今日の紹介映画、1本目は1978年公開の「マニトゥ」 新進気鋭のホラーの旗手として期待されていたウィリアム・ガードラー監督の遺作です。 ストーリーは平凡な女性にインディアンの悪霊ミスカマカスが宿った、とい…

☆漢字バトン☆です

ミステリと人生と酒を愛するcuttyさんより、漢字バトンをいただきました。 最近、頭を使ってない上にパソコン入力ばかりで漢字にうとくなりっぱなしです。 cuttyさんから頂いた私のイメージは「綾」でした。 過分なお褒めの言葉もちょうだいして、照れくさい…

有川浩『塩の街』 『空の中』

有川浩のデビュー作「塩の街」と「空の中」を読んでみました。 「海の底」があまりに衝撃的に面白かったので、期待をしすぎたところもありましたが「空の中」はなかなか、「塩の街」はちょっと、期待はずれかなといった感想でした。 「塩の街」 塩が世界を埋…

久坂部 羊『破裂』

「廃用身」で衝撃的なデビューをした久坂部羊の第2作です。 自らも医療ミスの被害者であった松野は、ノンフィクション作家として世に出るきっかけを探していた。 彼の前に一人の麻酔科医師江崎があらわれた。江崎は「痛恨の症例」という医療過誤の現実を自…

うるさい!!

いきなりなタイトルで失礼します。 昨日は、PTAのイベントで終日学校で走り回っておりました。 まあ、無事に会は成功し、夕方にはお疲れ様で解散したのですが・・・。 その、イベントの中で、先生方のお話、児童達の合唱、合奏などがありました。 私たちは保…

風邪ひきますた。。。

昨日から、鼻水と頭痛がひどいと思ったら、熱がでてました。 まあ、たいしたことはないと思うのですが、明日、あさってと一年かけて計画していたPTAの催しがあ り、その実行委員の一人なので、なんともタイミングの悪い風邪です。 本当は今日も召集がかかっ…