2006-03-27から1日間の記事一覧

佐藤春夫『秋刀魚の歌』

あはれ 秋風よ 情(こころ)あらば 伝へてよ ――男ありて 今日の夕餉(ゆうげ)に ひとりさんまを食らひて 思ひにふけると。 さんま、さんま、 そが上に青き蜜柑(みかん)の酸(す)を したたらせて さんまを食ふはその男がふる里の ならひなり。 そのならひを あや…

北森 鴻 『花の下にて春死なむ』

民俗学や骨董といったマニアな世界から、一転ビアバーという日常的な場所を舞台にした本書。 蓮杖那智シリーズや狐シリーズとはまた違った新しい北森鴻の魅力を知ることができました。 ビアバー「香菜里屋」に集まる様々な人々、彼らが持ち寄った謎をマスタ…