『マニトゥ』そして『ザ・キープ』

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こんばんは、ホラー映画のお時間です。

今日の紹介映画、1本目は1978年公開の「マニトゥ」


新進気鋭のホラーの旗手として期待されていたウィリアム・ガードラー監督の遺作です。

ストーリーは平凡な女性にインディアンの悪霊ミスカマカスが宿った、というもので、恋人とインデ

ィアンの祈祷師が見守る中、やがて彼女の背中から奇怪な胎児が生まれ落ちる……。風からコンピュータ

まで全ての物に宿っているという精霊(マニトウ)を総動員して最強最大の悪霊に立ち向かう 

悪霊のミスカマカスの誕生シーン、いきなり宇宙空間での戦闘シーンなど特殊撮影は当時としては見事な気持ち悪さです。

インディアンの悪霊と白人のマニトゥ(主に機械の精霊)が激しい戦いを繰り広げます。
オオトカゲのマニトゥ、北風のマニトゥなど悪霊側はけっこう正統派の攻撃。

しかし、悪霊に寄生された女性もコンピューターのCPUのマニトゥの力を駆使して、宇宙空間で放電しながらの大乱闘!

ここまでくると大笑いの超ド級B級ホラーSFでありました。

主演はトニー・カーチス、あの有名な俳優さんです^^;


そして2作目は、思いいれたっぷりのホラー作品「ザ・キープ」の登場です。


この作品はポール・ウィルスン原作「城塞」の映画化です。

1984年、マイケル・マン監督によって映画化されたこの作品は、音楽タンジェリン・ドリーム、SFXウォーリー・ヴィーヴァーズ(2001年宇宙の旅)といったなかなかのスタッフで作られましたが、なぜか評価は高くなく今では忘れられたホラーとなってしまいました。


ボーマン大尉(ユルゲン・プロホノフ)に率いられたドイツ国防軍ルーマニアの小さな城郭に進軍した。この城の内部はすべて重い石で作られているのに、外側は小粒の石で造られている。まるで何かを閉じ込めるために建造されたみたいだ。

ある雨の夜、グレッケン・トリスメグストゥス(スコット・グレン)は、ショック状態から目覚め、奇妙なスーツケースを手に地中海から黒海ヘ入り、城郭ヘ向かう。彼は長年、城郭を見守り、しだいに死すべき運命を望むようになる。

彼が待ち受けていた通り、城郭の中で抑えられていたものが、解き放たれた。彼はそれを破壊するために動き出す。 

善の象徴で人にあらざるものグレッケンと、封印された悪のパワーが激しい戦いを繰り広げます。

しかし、この映画の魅力は丁寧に作られた城塞(ザ・キープ)の特殊撮影だと思います。ナチスドイツの兵隊によって封印していたニッケルの十字架が剥がされそこから悪のパワーが閃光となって襲い掛かるシーン。石造りの城塞内部の、模型撮影ながら幻想的で巨大な牢獄。最後に出てくる悪霊の着ぐるみはおいといて(笑)煙のように現れて殺戮を繰り返す悪の存在。

あと、私はミリタリーマニアではありませんが、出てくる軍の装備(戦車、装甲車など)は皆、本物を使っているそうです。

原作が濃い内容であるのに映画は96分と普通サイズなので、描ききれず未消化なところが多すぎて、グレッケンと娘の恋愛も唐突すぎて納得できなかったり。色々、瑕疵はありながらも心に残る映像でありました。

こうして、埋もれてしまうには惜しい作品だと思っております。