北森 鴻『孔雀狂想曲』
狐シリーズでおなじみになった、雅蘭堂店主越名の活躍するお話です。
下北沢に在る雅蘭堂は骨董店と名乗るのもおこがましいような、小さな古道具屋である。 押しかけアルバイトの女子高生安積と店主越名の掛け合いが聞こえるこの店。 ジッポー、ジャンクカメラ、鉱物標本、あまり高価ではないが、薀蓄たっぷりの品々をめぐる事件。 越名の目が見透かすのは、骨董の影にかくれた人間の欲望や、思い出、陰謀など様々である。 騙しあい、抜け駆け、生き馬の目を抜くこの世界。贋物を売りさばくために本物を破壊するような、とんでもない輩がうごめく闇、その世界に身をおきながらも越名の推理は鮮やかに不正を暴いていく。
8編の短編が収められたこの作品。読後も爽やか、楽しく読めて、ユーモアたっぷり薀蓄もたっぷりの贅沢な作品でした。
即物的な世界の代表みたいな、ちゃっかりものの安積がとても可愛く、明るさを与えています。
ウォーホルの作品を「古臭くて、だっさいポスターだもん。三千円で十分だよね。」と言って友人に売りそうになったり。(60万で売ってくれと言われたほどの品!)売り物を壊したり、まるで最低のアルバイトですが、越名といいコンビになって楽しい雰囲気を出しています。
ウォーホルの作品を「古臭くて、だっさいポスターだもん。三千円で十分だよね。」と言って友人に売りそうになったり。(60万で売ってくれと言われたほどの品!)売り物を壊したり、まるで最低のアルバイトですが、越名といいコンビになって楽しい雰囲気を出しています。
などが印象的な短編でした。