2013-01-01から1年間の記事一覧

金井美恵子 『ページをめくる指』

センダック、片山健、ピーター・ラビット――誰もが読みふけった絵本の世界の魅力を、誰よりもその世界を愛する小説家が存分に読みとく。絵本を愛するすべての人々への、またとない贈物。 と出版社からの紹介文を載せてみましたが、読んでみるとさすが金井作品…

NHKドラマ 『メイド・イン・ジャパン』と日本経済の再生

先日最終回で、無事大団円を迎えたこのドラマ。 NHKなのでご覧になった方も多いと思います。 現在低迷する日本経済、その中で残り3カ月の命を宣言された「匠電機」という大企業。ある意味戦後の経済発展を担ってきたモノづくり産業の中でも超優良企業だった…

『0番目の事件簿』 メフィスト編集部・編

本書『0番目の事件簿』は「メフィスト」誌の連載企画をまとめたもので、十一人のミステリ作家がデビューする前に書いた作品に執筆の背景を語るエッセイを添えたものが並ぶ、という大胆にして異色のアンソロジーである。アマチュア時代の未熟な作品は、「読…

『ブリューゲルの動く絵』と『ハンガーゲーム』

先日DVDの新作紹介でこの予告を観ました。 いや、これはすごいことをやってますね。 「カラバッジョ」とか「レオナルド・ダ・ヴィンチ」とか、ドラマや映画になった画家は多いけれど、この映画のように、作品世界をまるごと映画化しようという野心的試みは楽…

金井美恵子 『ピース・オブ・ケーキとトゥワイス・トールド・テールズ』

金井美恵子さんの小説を読むのはかなり久しぶりです。 20歳でデビューし、天才少女、才媛の名をほしいままにしていた彼女ももう還暦をとうに過ぎて・・・。はたしてどのような作品なのか、興味しんしんで読み始めました。 こんな感じ。 「どの家もまゆみの…

恩田陸 『月の裏側』

内容(「BOOK」データベースより) 九州の水郷都市・箭納倉。ここで三件の失踪事件が相次いだ。消えたのはいずれも掘割に面した日本家屋に住む老女だったが、不思議なことに、じきにひょっこり戻ってきたのだ、記憶を喪失したまま。まさか宇宙人による誘拐か…

井上夢人 『ラバー・ソウル』

洋楽専門誌にビートルズの評論を書くことだけが、社会との繋がりだった鈴木誠。女性など無縁だった男が、美しいモデルに心を奪われた。 偶然の積み重なりは、鈴木の車の助手席に、美縞絵里(みしまえり)を座らせる。 病気によって直視できないほど醜く崩れ…

小野不由美 『ゴーストハント 扉を開けて』7巻

内容紹介 能登の事件の後、東京への帰路についた一行は、道に迷ってダム湖畔のキャンプ場にたどり着いてしまう。ナルの突然のSPR解散宣言に戸惑う麻衣たちは、急きょ、湖畔のバンガローに滞在することに。そこへ舞い込んだ、廃校になった小学校の調査依頼。…

貫井徳郎 『明日の空』

内容(「BOOK」データベースより) 両親は日本人ながらアメリカで生まれ育った栄美は、高校3年にして初めて日本で暮らすことに。「日本は集団を重んじる社会。極力目立つな」と父に言われ不安だったが、クラスメイトは明るく親切で、栄美は新しい生活を楽し…

「遊星からの物体X ファーストコンタクト」リスペクト カーペンター

鬼才カーペンター監督の傑作ホラーSF『遊星からの物体X』の前日譚です。 南極の氷の深部から発見された古代の遺跡と氷漬けになった生命体の化石。 ノルウェーの観測隊の発見だった。 その調査のために考古生物学者ケイト(メアリー・エリザベス・ウィンステ…

小野不由美『ゴーストハント 海からくるもの』6巻

内容紹介 日本海を一望する能登半島で料亭を営む吉見家。この家は代替わりのたびに、必ず多くの死人を出すという。依頼者・吉見彰文の祖父が亡くなったとき、幼い姪・葉月の背中に不吉な戒名が浮かび上がった。一族にかけられた呪いの正体を探る中、ナルが何…

『東西ミステリーベスト100』死ぬまで使えるブックガイドw①

beckさんお薦めの「東西ミステリベスト100」が新装されて刊行。 前回、86年のランキングとの比較もできる、優れた構成になってます。 (タイトルの「死ぬまで使える」ってどうなんでしょうね(笑)) ウン十年もミステリを読み続けているので、けっこう…

『東西ミステリーベスト100』死ぬまで使えるブックガイドw②

お次は海外ミステリベスト30です。 こちらのほうが、読み始めに親しんだジャンルなので、けっこう入れたい作品が多かったですね。 ところで、1986年版では海外ミスだけ、101位から200位が載せてありました。今回の新版ではそれが無くなっていた…

東京大雪

東京は大雪です。 十年に一度クラスの積雪だとか・・・。 前の公園には1時間くらい親子がずっと遊んでいて、ちょっと心配になるくらい。だって気温0度だよ~。 ここはどこだ? 家の近所なんです。まるで観光気分になる景色。 でも、歩くもんじゃないですね…

ジェフリー・ディーヴァー 『ロード・サイド・クロス』

陰湿なネットいじめに遭った孤独な少年。連続殺人犯は彼なのか? 交通事故を起こしたとして有名ブログで糾弾された高校生トラヴィス。個人情報はたちまち暴露され、ブログは炎上、彼の家に投石する者まで現れた。死を予告する十字架が発見されたのはその頃だ…

あ~い の作家(日本)

蒼井上鷹『九杯目には早すぎる』 芦原すなお 『ミミズクとオリーブ』 アスカ・フリーダム 『アスカと白猫』 飛鳥部勝則 『堕天使拷問刑』 天祢 涼 『キョウカンカク』 綾辻行人 『Another』 有川浩『塩の街』 『空の中』 有川 浩 『海の底』 有川浩 『図書館…

う~お の作家(日本)

歌野晶午 『葉桜の季節に君を想うということ』 歌野晶午 『世界の終わり、あるいは始まり』 内田康夫 『後鳥羽伝説殺人事件』 内田康夫『平家伝説殺人事件』 内田康夫『死者の木霊』 梅原克文 『サイファイ・ムーン』 大川渉 平岡海人 宮前栄 共著 『下町酒…

か行の作家(日本)

海堂尊 『チーム・バチスタの栄光』 海堂 尊 『ナイチンゲールの沈黙』 笠井潔 『ヴァンパイヤー戦争』 笠井潔 『青銅の悲劇 瀕死の王』 門田隆将 『裁判官が日本を滅ぼす』 金井美恵子 『スクラップ・ギャラリー』 金井美恵子 『ピース・オブ・ケーキとトゥ…

小野不由美 『ゴーストハント』5巻

内容紹介 増改築を繰り返した結果、迷路のような構造を持つにいたった巨大な洋館。長年放置されていたその館は、地元では幽霊屋敷として名高く、中に入った者が行方不明になる事件が連続して起こる。この館を調査するため、二十名もの霊能者たちが召集された…

太田忠司 『ミステリなふたり』

内容紹介 凶悪犯も必ずオトす美貌の刑事の剛腕と、家事はおまかせ、イラストレーターの夫の名推理。密室から不可能犯罪まで、京堂夫妻がどんな「謎」も解決! スパイス効かせた傑作本格ミステリ。 鉄の女の異名をとる女警部と、年下イラストレーターの夫が活…

小野不由美 『ゴーストハント』1~4巻

昨年はほぼ読書ができずに終わったもので、少しラノベあたりでリハビリを、ということで、「ゴーストハント」を読んでみました。小野さんが完全リライトしたという、新装版。 怪談、お化け屋敷、憑き物など、怪異現象を現代の科学機器で計測しつつ、陰陽道な…

堀内茂男 ミスター・ロンリー (ジェットストリーム)

遠い地平線が消えて 深々とした夜の闇に心を休める時 遥か雲海の上を、音もなく流れ去る気流は たゆみない宇宙の営みを告げています。 満天の星をいただく、果てしない光の海を ゆたかに流れ行く風に心を開けば きらめく星座の物語も聞こえてくる 夜の静寂の…

明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます! 昨年は大変ご無沙汰いたしました。 いろいろリアルが難儀でして、介護のことや実家の片づけなどが一気にやってきたのがひとつの理由でした。 読書なんかも少しはしていたと思うのですが、まったく残っておりません。 今年…