情報 今むかし

最近よく耳にしたり自分でも言っている言葉に「もうテレビはあまり見なくなった」がありませんか?

インテリさんから、情報に敏感な若い世代、そして私のように若くもない普通の主婦まで。

まったくインターネットを知らない世代も、まだまだ多いし、ネットやPCに無関心ですという若い世代も0ではないでしょう。でも、今圧倒的に情報を求める媒体にインターネットを使い、そちらの情報を信じているグループが増えています。新聞も取っていない人も、かなり増加しているみたいですね。

まだ若いテレビ(白黒放送)で、初めてメディアの洗礼を受けた世代としてみると、当時の高度成長期を支えていた日本人の一体感は、少ない娯楽のなかで、凝縮された熱気をはらんで醸成されたもののような気がします。
皆、一様に貧しかったし、すかすかした焼け野原のなごりのある土地には、まだまだ何か進歩とか発展とかの余地が、贅沢に残っていました。

都市の中心部では、鉄筋コンクリートの建設が音を立てて響き、空をどんどん切り取っていきましたが、まだ青空は埋め尽くそうにも広く広く頭の上に広がっていました。

そこに大きな夢の匣として登場したのが、テレビです。

ニュースや天気予報から、今日のお料理の献立、そして、見たこともない面白いバラエティ。

歌やお芝居、プロ野球

プロレス、拳闘、大相撲。

人類の月面着陸、ケネディ大統領の暗殺、etc・・・

もちろん東京オリンピック、皇太子ご成婚も。


日本中が手に汗握って、応援したり悲しんだり、悔しがったり。

思えば、荒削りながらダイナミックで簡単で、シンプルで(同じか)。

ひるがえって、今の状況を見て見ると、情報という量の膨大なことにまず怯んでしまいます。

我が家は夫と私と20代の息子の3人家族ですが、各々の持ってくる情報がいろいろ違うサイトから引っ張ってくるのも、面白いのです。
要は、個人個人、世代、職業などで渉猟するサイトに差が出ているのですね。

youtubeを見ても、旦那は洋楽、息子はゲーム、私は動物とか。けっこう違ってきてます。
3人とも観るのはお笑い系かな(笑)


今のうちは面白がっていても、これって世代間の断絶ではないのかな。
世代だけじゃなく、生活レベルとか、男女とか、趣味とか。もちろん知的レベルとかで、ものすごい情報の細分化が起きているのでは。
昔は、まだ大きな枠の中におさまってグループを形作っていたのに、未来はまるでモザイクのように細かく分かれたグループができていそうです。
そうなると、グループの結びつきも弱まって、自壊作用をおこしてしまうのではと心配になるくらい。

しかも、それが長く続くと世界はどう変貌していくのでしょう。
英語が世界言語になっていけば、国家とか大陸とかを越えて「カムチャッカの若者」も「メキシコの娘」も隣に住んでいるようにコミュニケーションがとれる、しかし、現実の隣人とは顔を合わしたこともない。というような現象が普通に起こりそうです。

文化圏という言葉も意味が変わってくるかもしれません。
日本とか、欧米、アジア圏ではなく「アニメ系」「法科系」「健康系」とか(笑)サイトの文化的特徴が文化圏を形作っていったり^^;

さらにそれが長期化していくと、情報の量はどんどん加速度的に増大し、人間の手に負えなくなっていく。そこで、さらに情報を整理するシステムをつくる。

ん~、なんだか妄想じみてきました(笑)
まあ、文化系の頭でかんがえてるので、ここらへんが限界ですが。。。


民族とか国家とかの大きな組織や、古里とか母校とか、会社とかサークルとかの小さな組織まで。

色々な人間の集まりで、様々な価値観が共有されている現実。グループの中にいる心地よさや、居心地の悪さ、など人の集まりにある特有な匂い。
こんな共感とか、疎外感とか、争ったり、集ったり、そういう現実的な肌で感じる一体感がどんどん薄れていくような。

私はこういう世界が悪いとは思わないし、自分的には心地よさを感じてしまうのですが。
やっぱり生物、動物としての人間臭さがなさすぎるのも、問題のような気がしてきました。


とんとん とんからりと 隣組
格子を開ければ 顔なじみ
廻して頂戴ちょうだい 回覧板
知らせられたり 知らせたり

とんとん とんからりと 隣組
あれこれ面倒 味噌醤油
御飯の炊き方 垣根越し
教えられたり 教えたり

とんとん とんからりと 隣組
地震やかみなり 火事どろぼう
互いに役立つ 用心棒
助けられたり 助けたり

とんとん とんからりと 隣組
何軒あろうと 一所帯(ひとしょたい)
こころは一つの 屋根の月
纏(まと)められたり 纏めたり

(ドリフの大爆笑の節で)




わはは、子供時代の「となりぐみ」という歌です。

ここまで密接なお隣も息苦しいですが、昭和の庶民はホントこんなものだったんですよね。