「遊星からの物体X ファーストコンタクト」リスペクト カーペンター

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鬼才カーペンター監督の傑作ホラーSF『遊星からの物体X』の前日譚です。

南極の氷の深部から発見された古代の遺跡と氷漬けになった生命体の化石。

ノルウェーの観測隊の発見だった。

その調査のために考古生物学者ケイト(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)が彼らの基地に向かう。

だが、生命体は解凍されて長い眠りから覚醒。しかも、それはほかの生物の体内に侵入しては、細胞を同化して宿主そのものに擬態する、宇宙からやって来た生命体だったのだ。

突如として宿主の肉体を破壊するように変形しては襲い掛かる生命体によって、彼らは誰が同化されているのか判断できない状況になっていき……。

2011年 監督:マシーズ・ヴァン・ヘイニンゲン・Jr


どうなることか、あの大傑作、怪物ホラーを越えることはまず不可能だろう。というのが観る前の私の考えだったのですが、これが大間違い。なんといっても制作者はカーペンター版を越える気はまったくない。
リスペクト「物体X」という入り口からスタート。
そこで、リメイクではなく前作の前日譚という手法をとったのです。
ご存知かもしれませんが「物体X」は、アメリカの南極観測隊が、ノルウェー隊で起きた恐ろしい事故のあと、そこから持ち帰った未知の生物によって徐々に追い詰められていく、サスペンスホラー。

そこで、そのノルウェー隊の基地でなにが起きたのかというのが今作のストーリー。

物体Xのファンならば観て損はないです。
男くさいカート・ラッセルに変わって、今回は可愛い美人古生物学者がメイン。
極寒の基地内で、持ち帰った生物が蘇生して次々と隊員を襲っていきます。この宇宙生物のいやなところは、生物に寄生しその生物の細胞を獲りこんでそっくりにコピーしてなりすますという技をもっているところ。
見た目は仲間、それが二人になったとたんゲロゲロの顔に変貌して襲いかかってきます。この疑心暗鬼がサスペンスを高めます。

モンスターの造形も前作を彷彿とさせるよう、CGをできるだけ控えて作られたそうです。
今回もモンスターに寄生された仲間をどうやって見分けていくのかがみどころ。

サスペンスの盛り上げも前作に負けない、なかなかの作品に仕上がってます。
ラストも感涙もの(いや、心温まりませんけどね(笑))、カーペンターのファンなら「おお」と感嘆の声を抑えることはできないでしょう^^
SFホラーのお好きなあなた、是非カーペンター版と合わせて御覧くださいね。

※蛇足ですが、こんな変なものを見つけました。ピングーで物体X(笑)