小野不由美『ゴーストハント 海からくるもの』6巻

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内容紹介
日本海を一望する能登半島で料亭を営む吉見家。この家は代替わりのたびに、必ず多くの死人を出すという。依頼者・吉見彰文の祖父が亡くなったとき、幼い姪・葉月の背中に不吉な戒名が浮かび上がった。一族にかけられた呪いの正体を探る中、ナルが何者かに憑依されてしまう。リーダー不在のSPRに最大の危機が迫る! 


5巻がゴシック風味の洋物ゴーストだったのに比べて、今回の悪霊は純和風。とはいえ、ゴーストの力はいや増したのではないでしょうか。
今回はなんとナルが憑依されてしまい、ほとんど活躍できず。性格のゆがんだナルシストというキャラ設定なので、ナルちゃんのプライドはズタズタに・・・。
指導者を欠いたSPRのメンバー達は自力で過去の事件を洗い、地方の因習や言い伝えなどを調べていきます。そこから浮かび上がるものは、古い昔の祟りや、おこぶ様と呼ばれる恵比寿信仰の神さまだったり。

海に向かって建つ古い旅館。その下にある不思議な雰囲気を持つ洞窟。
麻衣と巫女さんの綾子が大活躍でしたね。
舞台も悪霊も古い日本の伝承をもとに作られたようで、小野さんの引き出しの多さと、その惜しみないアイデアの出しっぷりがなんともお見事です。
あと1冊でシリーズ終了。
最終話に向けて、ナルやリンの秘密がどのように明かされるのかも、気になってきます。

ところで、この表紙、蛍光塗料っていうんですか、アレで幽霊が描いてあるんですよ。夜中、暗い中スタンドで読んでいた私に、息子が「ぎゃ~、なんだそれ!!!」と叫びました。
たしかに怖すぎます。
お持ちの方は一度暗闇で本を見てください^^;;