小野不由美 『ゴーストハント』5巻

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内容紹介
増改築を繰り返した結果、迷路のような構造を持つにいたった巨大な洋館。長年放置されていたその館は、地元では幽霊屋敷として名高く、中に入った者が行方不明になる事件が連続して起こる。この館を調査するため、二十名もの霊能者たちが召集された。SPRの一員として館の内部を精査していた麻衣たちは、あちこちに不審な空洞があることに気づいた。次々に姿を消していく霊能者たち。やがて明らかにされる館の血塗られた過去。そして新たな行方不明者が。ゴシック趣味溢れるシリーズ第5作。


本格的な館もので、かなり怖いお話になってきました。 悪霊シリーズでも凶悪さと邪悪さのレベルが最高かもしれません。
これってもったいなくないですか?大人向けに書けば、上下2巻くらいの立派なホラー(「屍鬼」のような)になっていたのに!あまり小野さんのことは知らないのですが、たぶんスティーヴン・キングの熱烈なファンだと思うのです。
ここに登場する、館や邪悪な悪霊など「ローズ・レッド」「シャイニング」などを読んだ方には、ちょっと馴染みのある世界かなと、思われるのではないでしょうか。とにかく、濃い内容でラノベでありながらかなり怖いし、血と肉片にまみれてるし(褒め言葉です)ぐちゃぐちゃ、どろどろがお好きな向きにも楽しめると思いますね^^;

巨大な洋館、増改築され続け歪な部屋だらけの迷宮。ウィンチェスター館という実在の館のことも、興味がつきませんでした。(ローズ・レッドのモデル?)
軽い文体にだまされて読んだら、がっぷり四つのゴースト・ストーリーでびっくり。リライトした本書ですが、大人向けに再リライトしてほしいなあ(←無理)
小野さんの才能の贅沢な使いっぷりも見どころになってきた「ゴーストハント」シリーズです。


元ネタの映画化「ローズ・レッド」を思い出しながら館の様子をイメージしたりしてましたが、略図だけでも載せてもらえると、もっと分かりやすかったかなと。


麻衣の生い立ちにはびっくり。気になる渋谷、リンも少しづつ正体(?)が見えてくる第5巻でした。

いやあ、その辺のホラーも顔負けです。お薦めです。