軍艦島綺譚

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いよいよ軍艦島が見えてきた!

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クルーズのスタッフの方にパチリと撮ってもらいました。右がわたし^^;

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もう危険すぎて立ち入ることのできないアパート群。

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島の公的機関が入っていたらしい建物のファサードのみ。






1月に友人と二人で長崎に行ってきました。
高校のとき修学旅行で訪ねたきりなので、記憶もあやふや。今回のメインは軍艦島に行くことでした。
そう、あの恩田陸「Puzzle」の舞台となった廃墟の島です。

他力本願な私は予約関係を全部友人におっつけて快適なそらの旅へと旅立ったのでした(おい!)

市内のホテルは快適でしたが、なぜか窓が小さくて縦長・・・。もっと大きな窓にすれば明るくて景色もいいのにと思っていたら、外に出て納得。周辺の洋館の雰囲気に合わせた縦長の細い窓が、とっても素敵に街並みにマッチしていました。

ちゃんと観光したのは初めてのようなもの。タクシーの運転手さんに蘊蓄を聞き、長崎は江戸時代税金がなかったという事実にびっくり。
「だから今でも長崎県人は、商売っ気がなくておおらかなんだよ~」とのお言葉通り、百万ドルの夜景を見に稲佐山公園の山頂展望台に行ったところ、キラキラと美しい夜景が見え始める6時ころには、お土産ものやさんなど、軒並み閉店してました(笑)

でもレストランのトルコライスをしっかりいただいて大満足。やはり夜景もいいけどおいしい長崎牛のほうがもっといいわ!

で、肝心の軍艦島クルーズは1月ということで、雨まじりの寒さのなかめでたく上陸することができ(天候によってはだめな場合も)ガイドさんの説明を聞きながら近代日本の礎となった廃墟を堪能することができました。
行く前はちょっとおっかない感じで陰惨な雰囲気なのかと思いきや、確かにつわものどもの夢のあとといった感慨はありますが、なにか高度成長して活気づく日本の影のようなものを感じ、恐ろしい場所ではなかったのですね。

三菱の庇護のもと、住民は住居、光熱費、すべてただで暮らすことができたそうです。
炭鉱の労働は危険と隣り合わせでしたが、この島にすむことの特権意識のようなものが住民のなかにはあったようで、エリートの気概が感じられました。

ただ島の建築や構造物は日を追って崩れ、壊れていくようで、この姿ももうすぐ変わっていくのではないかとガイドさんが仰ってました。まだ世界遺産の話が本格的になる前のことですが、保存に必要な億単位の費用が長崎市だけではとうてい賄えるものではないようで・・・。

今回も危険な場所以外を歩くということで、本当に島の施設のさわりだけ、短い距離の歩道のみが観光できるところでした。
画像3枚目のようなアパート群などは見られずじまいで、残念でした。

廃墟としての時間の長さや規模は他に見ることのできない貴重な遺産だと思うので、是非次世代に長く残してほしいと思ったしだいです。
007「スカイフォール」の舞台となったのですが、ロケは危険すぎるということで、精緻なセットを組み立てて撮影したそうです。B’zのPVもここで撮影したようです。

人々を魅了してやまない端島、通称軍艦島
世界遺産になってもならなくても、その魅力は世界でただ1つの廃墟の島です。
RC構造の建築は日本の建築史のなかでも重要なものばかり。水洗トイレや海底を通る水道管、送電線など当時の最先端技術が凍結されて残されているのです。
住宅に残されたテレビ、雑誌、生活用品の残滓がまるで昭和のタイムカプセルのようでした。

久しぶりの旅行でしたが本当に来てよかった。
お酒もよく飲んだし、満足満足(結局こういう終わり方・・・)