原発問題にご回答ありがとうございました

19日の記事で、原発事故についての疑問を書いたところ、理系の頼もしいお友達から丁寧な回答をいただきました。
自分用に記事にそのお答えをUPし、今後の参考にさせていただきたいと思います。
ので、コメント欄は表示しません。

ゼブラさん、内緒さん、たつさん、どうもありがとうございました。
3月23日追記
もう一人内緒さんが回答をくださいました。
質問その8に追加させていただきました。


尚、ゼブラさんのブログには今回の事故で参考になる記事がいろいろUPされてます。興味のあるかたは覗いてみてください。



質問その1

素朴な疑問ですが、福島第1の1号炉は40年前の建築です。
もう設計者も60歳を過ぎて引退しています。
そんな旧式の設計で、ものすごい複雑なしろものをちゃんと整備できているのでしょうか。
今回の事故で、当時の技術者などに協力を呼び掛けているのでしょうか。

回答:船舶などではないので、詳細まで現役の人が把握しています。
作りなおしている部分も多いと思いますし。

40年前の設計・建造とはいえ、当時のシステムからはかなり改修されているはずで、当時の設計者・技術者も解らないでしょう。現在現場におられるかたが一番解っているはず。。。


質問その2

テレビで見る「原発の断面図」はポンチ絵ですよね。実際は恐ろしく複雑な機械や配管、バルブなどが絡み合うようになっているものだと思うのですが、そういう複雑怪奇なものを冷やすのに、屋根に開いた穴から海水をぶっかけることで果たして冷却できるのでしょうか。

今日の報道だと、詳しい図も出てますね。危ない3号機の構造。
http://www.asahi.com/photonews/gallery/infographics/npp318a.html
パイプも何も、全部込みで冷やそうってことだと思います。


全部まとめて冷却するはずです。海水なので一度被ったらもう使えないでしょう。

質問その3

使用済み燃料棒というプールで保管されているものは、いわゆる高レベル廃棄物でしょうか?
ガラス固化して地層深くに埋めるとか東電のHPにはありますが、まだ埋める場所も決まってないと聞いたことがあります。
その他「トイレのないマンション」と呼ばれていた原発の中には「放射性廃棄物の入ったドラム缶」がいっぱいあったと思うのですが、津波によって流された建屋のなかにはそういう危険なものはなかったのでしょうか?

使用済み燃料棒は最終的に六ケ所村に集めていたと思いますが(あやふや)
まだ、輸送できないレベルの放射線を出しているものをプールで冷やしてます。


あってもおかしくないですよね。ただ簡単に流されるような場所には保管していないと思われますが。。。


質問その4

緊急用電源を引っ張ってきて冷却装置を動かそうとしてますが、海水をぶっかけたり津波をかぶったりした電気設備が動くとは思えません。
スリーマイル島も緊急停止した原発内部で、その後事態がどんどん悪化してメルトダウンにいたったそうです。しかし、スリーマイルは奇跡的に冷却装置が働いて、下に溶けて溜まった燃料を冷やすことに成功したそうです。今回の福島第1には期待できないのでは?

海水かぶっても動くものでしたが、津波で流されちゃったんです、電気制御系。


質問その5

放射線の自然被ばく2.4mSv(ミリシーベルト)は世界平均で、日本では最も高い岐阜で1.19mSv、最小は神奈川県の0.81mSvと、平均の半分から1/3くらいしか被ばくしてません。2.4mSvは忘れて日本人の場合は0.9とか1mSvを基準に考えたほうがいいのではないでしょうか?
2.4という数値も(宇宙から0.39/大地から0.48/食物から0.29/空気中のラドンから1.26)という数字の合計ですが、大気中の放射線はこのうちどれに当たるのでしょう。




質問その6

一般的に、放射線被爆量が年間で100,000マイクロシーベルト以下であれば人の健康や環境に影響が出ることはないと言われています。(国際放射線防護委員会-ICRP- 2007年勧告)

これは1時間あたりになおすと11.4μSvです。今後は/時間で発表される情報にはこの11.4μSvを基準にしてみます。(これであってますか?)]

参考記事:同上



質問その7

時事ドットコムで「福島第1原発 福島県大熊町双葉町にまたがる東京電力初の原子力発電所で、1971年に営業運転が始まった。沸騰水型原子炉が6基あり、今回の地震発生時は1~3号機が稼働中だった。3号機では昨年10月、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを再利用するプルサーマル発電での営業運転が始まっていた。」
という記事がありましたが、プルトニウムの再利用というのは、そうとう危険なことで、少なくとも沸騰水型原子炉の通常の発電よりリスクが大きいと聞いたことがあります。
燃料のプルトニウムが猛毒であることは有名です。今回の事故では、3号機が特に危険という報道がないのですが、どうなのでしょう?

http://www.asahi.com/photonews/gallery/infographics/npp318c.html
3号機の冷却を優先したようですね。1号機は電気系が復帰させられそうだし。

質問その8(最後です^^;)

今日、ほうれんそうと牛乳から基準値以上の放射能が検出されたそうです。
これはほうれんそうや牛乳が放射線を出しているということでしょうか。ホウレンソウは放射性物質ではないので、葉っぱに放射性物質が付着しているということでしょうか?それとも、暴露されて葉っぱが放射線を出す現象がおこったのでしょうか?

一生食べても大丈夫な線量とか報道してますが、体内被曝の心配はないのでしょうか?

放射線の人体への影響は線量と時間と距離が問題になってくると聞いてます。体内に入った放射性物質はミクロン単位の距離だと思うのですが、このへんの危険性はどう見たらよいのでしょうか?

付着して、葉の内部に入り込んだり、だと思います。
放射能を帯びた埃が葉肉に入り込めば、じわじわと葉から放射線が出る事になります。食べれば体内で、それが放射されます。量については程度問題。


大丈夫ですから、政府報道を信じてくださいw
ほうれん草は、今は表面に放射能を持った塵が付着してる状態でしょう。
今後の放射性物質の拡散次第ですが、ほうれん草の内部に放射性物質を含むことはありえます。
もちろん、それを食べれば人体の一部も放射性物質に置換されるでしょう。
で、半減期が長く排出に時間がかかれば、何らかの害が出るかもしれませんね。
それでも人体に問題ない対応がとられ、ほぼ確実に成功すると信じてます。
理論上、長い時の後に、薄く広く放射性物質は日本中、世界中に拡散していきます…それをゼロとみなすかゼロでないとみなすか、現実的な前者の見方をお勧めしてますし、理解しろと言っても無理な人が多いでしょうし…
「慣れてください」が現実的だと思ってもいます。


また、内緒コメントにて参考になるサイトを教えてくださったMさんも、ありがとうございます。
以下のサイトにて原発の基礎知識がわかりやすく解説されてます。


こちらのゼブラさんの記事トラックバックしていただきました。)も、事故の概要と対応策が具体的に書かれていて参考になります。
また、リンクも多数ありますので、興味あるサイトに飛んでみると、また理解が深まると思います。