笠井 潔 『ヴァンパイヤー戦争』

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今日は内容よりも本の挿絵についてご紹介をしたいと思います。

この作品は1982年に書き始められ、現在も講談社文庫からリニューアルされたシリーズで出版されています。

笠井潔の娯楽伝奇SF小説で、ジャンルとしては古代文明、吸血鬼、CIA、超能力などが絡み合った、ノンストップ伝奇小説といったところです。

非常に面白く、バイオレンス、エロス、サスペンスが溢れた濃厚な描写を堪能しました。
「コムレ・サーガ」というシリーズの一部で、この後、「巨人伝説」「サイキック・ウォーズ」へと続いていきます。

さて、「ヴァンパイヤー戦争」の挿絵の白眉は空山基の挿画が入った作品社版でしょう。

1995年発行の豪華愛蔵版、価格も5631円ですが空山氏の挿絵とポストカードが付いた全3巻は、内容とも素晴らしく合致した本だと思います。
空山氏の画集も作品社からでております。かなり過激なエロス、ボンテージなどテーマも凄いですが、まるでプラスティックで創り上げられたような美女のイラストは、空山氏しか描けないクールな美しさを持っています。

先日、IN POCKETで笠井氏自身が、武内崇に表紙絵を依頼したという記事を読みましたが、現在発行されている講談社文庫の武内氏のイラスト↓があまりにも原作にそぐわないので、こんな記事を書いてしまいました。

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下記は一部笠井氏の宣伝文の引用ですが、う~ん、それがあのイラストですか?と唸ってしまいます。

「長いこと忘れていた『ヴァンパイヤー戦争』だが、あらためて思い出したのは、たまたまノベルゲーム「月姫」をプレイしたからだ。オタクたちのあいだで旋風を巻き起こしている月姫は、まさにヴァンパイヤーをめぐる物語ではないか。しかもシナリオ担当の奈須きのこは、熱心な笠井読者だという。
 判型を変えて幾度か再刊されてきた『ヴァンパイヤー戦争』だが月姫イラスト担当の武内崇に装幀装画をお願いし、もう一度講談社文庫から出してみることにした。月姫の物語に熱狂した10代、20代であれば、作者が『ヴァンパイヤー戦争』に込めたものも、時代を超え世代を超えて奇跡のように伝わる可能性はある……。」

奈須きのこ本未読のため、なんとも言えないのですが、空の境界「ヴァンパイヤ~」両方お読みになった方、いらしたら是非同様なのか教えてください。

私の感じた「ヴァンパイヤー・ウォーズ」の世界は、やはり生頼範義の表紙絵や天野喜孝の絵に近いし、空山氏のイラストがベストであると思ってしまいます。
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氏のイラストの魅力は確かなテクニックに裏打ちされたクールで神秘的なエロスだと思っています。
作品社のHPに空山基作品集の内容まで見られるところがあります。興味を持たれた方は覗いて見てください。「NAGA」という本の中に「コムレ・サーガ」の挿絵が多く収められています。

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18歳未満お断りかも^^