笠井潔 『青銅の悲劇 瀕死の王』

イメージ 1

1988年、12月。作家宗像冬樹は姫神湖の別荘で過ごしていた。
鷹見沢家に起こる奇妙な事件の相談にのる宗像は、ナディア・モガールと名のるフランス人女性と知り合う。そして、冬至の日、ついに毒殺未遂事件が起き、鷹見沢家の隠された神事にまつわる謎が現れ、ナディアと宗像は巻き込まれていく。
昭和天皇の病状悪化が著しい63年の暮れから平成が産声を上げる1月まで。昭和という時代の終焉を絡めたミステリ。


う~ん・・・・・・。

これ、矢吹駆シリーズっていうのは詐欺じゃないですか?




駆~~~~!!いつ出てくるの~~~???


ついに出てきませんでした・・・・。



と言うことで、これは駆シリーズ番外編と銘打つのがタダシイのではないでしょうか。


で、ミステリとしての出来栄えなんですが・・・・・

なんか本日は歯切れが悪いなあ(笑)


ぶっちゃけ、読むのがキツカッタです。

この記事も書くのやめちゃおうかな・・なんて思ったりしたのですが、やはり駆応援団として結成第1作の本書くらいは買いとかないと、と思いまして。

でも、それがこんな駄作なんて、哀しすぎる・・・。

読みどころは最初の1章と最後くらい。
とくにミステリ部分はつまんないことこの上ない。

べるさんも書かれてましたが、瓶Aと瓶B、鍋Aと鍋Bなんて延々議論しているのだけれど、正直どうでもよかったデス^^;
毒殺未遂事件の検証が他の事件の解決につながるのか?

盛り上がりもなく、別荘地を車でいったりきたり。

響君なんて、いじればいいキャラがたちそうなのに、スルーされててもったいなかったですね。

天啓教団という新興宗教の教団も出てきて、話しが膨らむのかと思いきや、またもやスルー。


そして語り手の宗像、「天啓シリーズ」の登場人物らしいです(未読でした^^;)

作家笠井潔自身を投影しているようですが、宗像の自作について語るところなどは笠井ファンであれば、楽しめるところでしょう。
駆シリーズから伝奇ものの「コムレ・サーガ」を書き始めるあたり、作中の宗像とかぶってます。




しかし、今までの笠井作品は、読んでいて難解だったり無理のある展開だなあと思ったり、全て手放しで絶賛するものではありませんでしたが、薄味と思ったことはなかった。
なのに、「青銅の悲劇」はミステリ部分の薄さが目立ってしまい、独特の満腹感が味わえずじまいでした。

まだ単行本化されてない駆シリーズがあるそうですが、そちらに期待したいと思います。


私的にはねこ2.2匹くらいでしょうか(笑)