ウィリアム・カッツ 『恐怖の誕生パーティ』

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マーティとサマンサは人も羨む裕福で幸せな夫婦だ。
サマンサは来る12月5日、マーティの誕生日を思い出深いものにしようと、マーティの昔の友人を招く計画を立てた。マーティには内緒で。
ところが調べるうちに、卒業した大学には彼のいた記録がない。ハイスクールも小学校すら記録がなかったのだ。愛する夫はいったい誰なのだろう。
同じころ警察は、6年連続で12月5日に殺人を行った連続殺人犯を追っていた。犠牲者はすべて女性で鳶色の髪を長くのばしていたのが特徴。
そしてサマンサは美しい鳶色の髪を持っていた。

1985年の作品です。
私が海外のサスペンスやミステリに興味を持ったきっかけになった1冊かもしれません。

本当に面白いサスペンスというのは、何も知らずに白紙で読むのが一番面白いものです。
ですので、以下は既読の方中心に書いてみようと思います。

まず、カッツの最高傑作といえばこの作品を挙げる方が多いということ。

そして、このジャンル、サスペンス小説としても最高傑作の一つではないかと思うのです。

夫を疑いながら、まだ感情の上では愛している妻の恐怖と孤独。その妻を影で支えよう、守ろうとする警察官の存在。
マーティという恐ろしいサイコキラーの存在もまたカッツの生み出した傑作モンスターでしょう。


ラストの衝撃もまた今に至るまで忘れることのできない一撃でしたね。

さすがに25年も前に翻訳されているので、古い部分もありますが、小道具の使い方などディーヴァー顔負けの上手さがあります。表紙も秀逸。


是非手に入るようでしたら読んでみてください。
サクサクいけるし、読んだ時間は絶対損させませんよ^^