今野敏 『慎治』
中学2年の慎治はクラスメートの小乃木将太ら3人からいじめの標的にされていた。
こづかいを奪われ、殴られたり、こづかれたりする日々。ついには万引きを強要されてしまう。
家庭では「音楽もスポーツも手遅れなのだから、せめて高校くらいはいい学校にいってくれ」と言われ、安らぐこともできない。
どこにも逃げ場のない、救いのない状況だった。ついに慎治は自殺まで真剣に考えはじめる。
こづかいを奪われ、殴られたり、こづかれたりする日々。ついには万引きを強要されてしまう。
家庭では「音楽もスポーツも手遅れなのだから、せめて高校くらいはいい学校にいってくれ」と言われ、安らぐこともできない。
どこにも逃げ場のない、救いのない状況だった。ついに慎治は自殺まで真剣に考えはじめる。
このへんの描写は、まったくガンダムやモデラーに無知な私でも思わずひきこまれてしまう詳細なものだ。作者の今野氏はガンダムの権威らしく、その世界観を語る筆致の熱さはまさに圧巻。
アムロシャアくらいしか知らなかったが、知らぬ間に08小隊やらラグランジュ・ポイントなどという用語を使ってみたくなっている(単純^^;)
モデラー仲間や、ガンダム仲間にも、得意ジャンルがあったりするのが、いかにもマニアックだ
アムロシャアくらいしか知らなかったが、知らぬ間に08小隊やらラグランジュ・ポイントなどという用語を使ってみたくなっている(単純^^;)
モデラー仲間や、ガンダム仲間にも、得意ジャンルがあったりするのが、いかにもマニアックだ
慎治がガンダムマニアの担任教師によって、八方塞りの状況から抜け出し、打ち込める世界を見つけることによって救われていく。まあ、現実はこんな簡単にはいかないかもしれないが、このオタク教師の言葉には、やはり力がある。
弱弱しい少年が、1歩1歩大人の男へと成長していく過程は、爽やかであり、わくわくさせられる。
特に、いじめる側の大人びた少年の卑劣さが対比されて、真の男、大人とはなにかがくっきりと浮かび上がってくる。
弱弱しい少年が、1歩1歩大人の男へと成長していく過程は、爽やかであり、わくわくさせられる。
特に、いじめる側の大人びた少年の卑劣さが対比されて、真の男、大人とはなにかがくっきりと浮かび上がってくる。
なにか夢中になるものを持ってる人ならば、この「慎治」には強く共感できるに違いない。