今野敏 『ST 警視庁科学特捜班』

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ST(Scientific Task Force)、それは科捜研から集められた個性的な科学者集団。
警視庁が新しい捜査の戦力として、法医学、薬学、音響学、化学、心理学、とそれぞれの分野での専門家を集めて作られたものだ。

法医学:赤城左門
不精ひげと、みだれ髪がセクシーな渋い一匹狼。実は女性恐怖症。
本人は孤高と思っているが、へんに人望があり人が寄ってくるSTのリーダー。

薬学:山吹才蔵
曹洞宗の僧籍を持つ本物のお坊さんでもある。温厚なまとめ役。殺人現場にくると読経する。

音響学:結城翠
挑発的なミニスカートと胸の大きくあいたファッションでキメル紅一点。
驚異的な聴力を持ち、人間盗聴器と呼ばれる。

化学:黒崎勇司
古武道の達人であり、無口な大男。驚異的な嗅覚を持ち、翠と組むと心臓の鼓動の変化と、発汗やアドレナリンの分泌の変化を感じ取り、嘘発見器コンビとなる。

心理学:青山翔
誰もが息を飲む超絶美形。さらさらの髪、透き通る肌の美少年。
気まぐれだが、プロファイリングと文書鑑定の達人。



それぞれの名前の中に色の1文字が入り、赤、黄、緑、黒、青となっていて、まるで戦隊ヒーローもののようである。この個性的なメンバーをまとめていくのが、まだ若い警視庁のキャリア警部、百合根だ。
気弱で、真面目な百合根のキャラクターがまた魅力的。STメンバーをまとめるという不可能に近い使命を受け、一所懸命彼らを理解しようと奮闘する姿は、なかなか素敵で、ついイジメたくなる(笑)
このメンバーにたたき上げの刑事、菊川を加えたST班の活躍が描かれるシリーズだ。

現在10冊ほど刊行されてるようだが、1冊が1,2時間で読めるかんじのお手軽な作品。「隠蔽捜査」などに比べると軽さはいなめないが、こちらはたとえて言えば、シリーズもののTVドラマのようなもの。
お馴染みの面々が、その特異な能力を発揮して不可解な事件を解決に導く。敵役の川那部警視もレギュラー出演で、いつも憎たらしい^^;
お約束のせりふなんかもあって、安心して肩の力を抜いて楽しめる作品だ。



ところで、我孫子武丸氏の「警視庁特捜班ドットジェイピー 」ってキャラ設定がそっくりなんだけど、なにか関係あるのでしょうか?