妄想!本楽大学(SF編)その1

またまた妄想記事です。
今回は小説仕立てなので、かなり強引なキャラ作りをしています。
皆様、怒らないで読んでくださいね~!

そう言えば最近、本楽大学のマダムホワイト校長のことを「しろねこ校長」「しろねこ学長」果ては「しろねこ総長」なんて呼ぶ輩が増えてまいりました。そうそう「しろねこ大学」なんてのもありますね(笑)
どうぞ、どのようにでも呼んでやってください(笑)。

で、今日の妄想は「SF学部編」。
また、ばかばかしい記事になってしまいそうですが、ご用とお急ぎでない方は足を止めてみてください。
例によって敬称は略させていただきました。


早朝の本楽大学。
朝の弱い学生が多いこのSF学部であるが、今日は特別な日である。
講師であるgaki先導で、強化合宿に出かけるのだ。

「さて、全員集合したようですね。」
gakiの前には緊張した面持ちの学生16人が整列している。
「では、全員このスーツを着用して。
宇宙をなめてはいけませんよ。死と隣り合わせの空間。それがハードSFにおける宇宙なのです!」
全員が怪しげな宇宙服(パワードスーツ)を着用した。
「先生!これって「メトロイド」のサムスが着けてるのと同じやつですか?」
「そうです。これはどのような環境にも適用できるスーツです。」
全員金色に輝くパワードスーツを着けたところは、なかなか壮観である。

校庭にはすでに宇宙飛行のためのタマネギ型宇宙船が離陸を待っている。
「あ、これ武道館のてっぺんに返したはずなのに・・・」(「時空を超えて」参照)
ちいらば館長が声をあげた。

「そうです、今日のためにとってきたのです。」
gakiは当然といった表情で頷いている。
疑宝珠を勝手に持ってきていいのだろうか?そんな素朴な疑問が皆の胸に去来したが、gakiは一向に頓着せず、次々と皆をタマネギの中に誘導している。

「それでは、ハードSFの世界に向けて出発です。」
gakiが力強く宣言し、植物油で動くタマネギ型宇宙船はエンジンを始動した。
「先生!」
その時月野の手があがった。
「ボクはBSFの世界に行きたいんですが!」
「ダメです。今日の課題はハードSFの深刻で論理的な宇宙を旅することであって、BSFは対象外です。」
gakiに無情に却下された月野案。
宇宙船は静かに速度を上げ、地球を離れていく。
「さてこのままでは一生かかってもどこにも行けませんから、ワープ航法に移ります。」
本楽大学の図書カードをスリットに指し込みながら、コンソールを操作するとメインモニターに、巨大なリングが浮かびあがった。
「『リング・ワールド』です。」
ハードSFの金字塔、ラリイ・ニーブンの作り上げた世界だ。

「先生!」
また手が挙がった。
「はい、Cuttyくん。なんでしょう?」
「バナナはおやつにはいりますか?」
「そんなことは出発前に聞きなさい!」
「先生!」
こんどはなんだ、とgakiは振り向いた。
「ワープって痛いんですか?」
ざらしのかぶり物を被った「たこ焼きケムール」の女将あざらし。だった。
ため息をつきながら
「大丈夫です。シートにしっかり座っていれば痛くなんかありません。」
次々と手があがり学生たちが勝手に質問を始めた。
「ワープしながらビールを飲んでもいいですか?」とアニス。
「ダメです。」

「ワープのとき写真を撮ってもいいですか?」これはもね。
「いいでしょう。ただし席を離れないように。」

「リング・ワールドってなんですか?」これはしろねこ。
「知らないでこんな文章書いてるんですか?!」
もうgakiは呆れ顔だ。

「質問はあとで!これよりワープします!」
強引に打ちきると、gakiは推進レバーを押した。

全ての物が人も物体も、虹色の光りに包まれ時間と空間の壁を超えた。

光りが消えるとメインモニターにはリアルに映し出されるリングがあった。

「これがリング・ワールドです。人工的に造られた建造物です。」
一同息を飲んで壮大なリングに見入っている。
「これよりリングワールドに着陸します。」
宇宙船はリング周辺側壁に設置された「マスドライバー」にすい込まれていった。

「皆さん、このリングワールドは周囲は地球の公転と同じくらい、幅は100万マイルの巨大な人工建造物です。人口は約30兆・・・・。」
gakiの説明が延々と続くかに思えたその時。
「先生!18人いる!」
パンダが叫んだ。
船内は騒然となった。SF学部は総勢17人。
いったい誰が部外者なのか?!

「落ちついて!皆、そのままでは誰かわからない。パワードスーツを脱いでみよう」
gakiの指示で皆、のろのろとスーツを脱ぎ始めた。
しかし、見なれたメンバーばかり。なんせ本楽大学は学部の掛け持ちが多いので、皆どこかで顔を合わせているのである。

そのうち一人が気づいた。
「あれ?mepoさんってミステリ学部だけじゃなかった?」
一斉に皆の目がmepoに注がれる。
「う・・・。あ、あのお・・・。」
「あれ?またプチ家出してきたの?」
Cuttyが素早く見ぬいて言った。
「そ、そうなんですよ~。だって、コッペパンを買ってきてって頼んだのになんだかよくわからない「ベーグル」とかいうドーナッツを買ってくるんだもの~」
一同「う~む」とうなっているところにgakiが
「しかたないでしょう。mepoさん。強制的にSF学部に入部してもらうしかないですね」
「え?1冊も読んでないのにいいんですか?」とmepo。
「この『リング・ワールド』を貸してあげますから、この合宿のなかで読んでください。」
ドサッと分厚い本が四冊、mepoの前に置かれた。
「では、皆さん。リングワールドの探査にでかけましょう!」
「はいっ」
17人は宇宙船にmepoを残したままリングの中に探検に出ていってしまった。

「ええ~!ひ、ヒドイわ!私だけこんなタマネギの中で「えすえふ」なんか読まなくちゃならないなんて!」
分厚い「リング・ワールド」を放り出すとmepoはそっと宇宙船を抜け出した。

一番最後をのろのろと歩いてるしろねこに声をかけた。
「校長、校長。」
「ん?あれれ、もう挫折しちゃったの?」
とのんきなことを言っている校長である。
「最初から読んでませんよ。校長、面白そうな探検だから抜け出して付いてきちゃったんです。」

前のほうでは、Cuttyがその独自のSF論を展開して、gakiを始め真面目なSF学部生を煙に巻いていた。
「あら、永久機関はとうに発明されてますでしょ?」「そうそう、リングワールドって猿が支配してるんですよね。」
一々アニスが訂正を試みるが、あまりの出鱈目に太刀打ちできなくなっている。
「Cuttyさん、あのね。永久機関は人類の夢なの。だから、発明なんかされてないんですよ。」
「それから、猿が支配してるのは「猿の惑星」。「リング・ワールド」には猫族のような獣はでてくるけど猿はいないの。」
「へえ、でもさあ、ネバーランドってSFよね!」
アニス撃沈・・・。

腕にうさぎのアンディを抱えたojyaが肩を震わせている。
あまりに無茶苦茶なので笑いをこらえるのが大変そうだ。
隣りにいる月野とパンダはSF漫画について語りあって、Cuttyの話は右から左に流しているようだ。
コミック研究会のamaiも会話に参加して、話は萩尾望都大島弓子など少女漫画のほうへ流れていった。

ハルは、どこから入手したのか「タスプ」という装置を持ってボタンを押している。
「はうううううう~~~!」
「ハルさん、大丈夫ですか?」
gakiが駆け付けたときは、もうハルの顔は法悦感に包まれていた。
「ああ~あ。これは、敵を骨抜きにする武器なんですよ。自分に使っちゃいけませんね~」
「あらら、ハルにょん、amaiにも貸して~」とamai。
「ダメ!習慣性があるから、薬中になりますよ!」
残念そうな二人である。