有川浩 『図書館内乱』

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出版社 / 著者からの内容紹介
相も変わらず図書館は四方八方敵だらけ! 山猿ヒロインの両親襲来かと思いきや小さな恋のメロディを 叩き潰さんとする無粋な良化「査問」委員会。 迎え撃つ図書館側にも不穏な動きがありやなしや!? どう打って出る行政戦隊図書レンジャー! いろんな意味でやきもき度絶好調の『図書館戦争』シリーズ第2弾、ここに推参!
――図書館の明日はどっちだ!? 

図書館戦争」の続編。
笠原郁と堂上教官のなんとも可笑しな恋を主軸に、近未来の検閲制度が復活した日本を舞台に図書館の自由を守るために戦う図書館隊員の活躍が描かれる。

好きな章は「恋の障害」
今まで正論を貫く真面目キャラだった小牧と聴覚障害者の女子高生毬江ちゃんとの淡い恋。その全然進展しない二人に、なんと人権侵害の訴えが起きる。査問にかけられる小牧、それを救い出そうとする図書館隊の活躍、郁の啖呵がすっきりさせてくれます。
この中に「レインツリーの国」という本が出てきますが、この本、有川浩の新刊として今日発売予定。
架空の作品をちゃんと出版してくれるなんて、有川さん、編集さんも粋なこと。

相変わらず元気と乙女回路全開の猪突猛進キャラ、郁がこの巻でも天才的な動物的勘で、上官、同僚、敵対勢力までも、ぶっ壊していきます。
会話がなんといっても面白い。痛快、愉快、思わず吹きだす乙女の本音。男の面子も、照れくささも作者の筆がきっちり書いてくれています。

今回は内乱中心なので武闘派、郁のバトルはありませんでしたが、前作より心理的な戦争はより苛烈になっていきます。
そして今作では、新キャラの登場や、他の登場人物も深く掘り下げられて、ますますこの作品が好きになってしまう仕掛けがいっぱいです。

ああ・・・で、でも、このラスト!
ヒドイよ有川さん、ここで終りなんて!
月9ドラマなら、一週間の辛抱なのに次回作はいったいいつ出るの?

超お薦めの図書館、純愛、陰謀、友情てんこもりの一冊。
次は「レインツリーの国」ですね。これもまた、恋愛小説という情報なので大いに楽しみな新刊です。