井上 夢人 『ザ・チーム』
出版社 / 著者からの内容紹介 人気霊能者の陰で〈彼ら〉が大活躍!? 盲目で難聴の人気霊導師、能城あや子。百発百中の"霊視"を支えるのは、彼女の仲間たちだった。過去の事件の真相や、不思議な現象の真実を次から次へと暴き出す! 極上ユーモアミステリ集。
またまた、井上夢人にやられてしまいました。
盲目の霊能力者、能城あや子の周りを固めるのは、それぞれのジャンルのエキスパートたち。
コンピューター、ネット検索の達人悠美、非合法調査、侵入のプロ、肉体労働専門の賢一、鳴滝はあや子のマネージャー兼ゴーストライター兼まとめ役。
この3人組が霊視依頼をされた人を徹底的に調べ上げる。そして本人も知らない人生の悲劇や事件を解決してしまう。
いわば霊感詐欺師の集団なわけですが、あっけらかんとした4人の仕事振りに思わず拍手をおくっていました。
そして、TVの人気霊能者の陰に調査隊が居るのではと疑いをかけた人のお悩みまで、しっかり解決してあげる親切心。
久し振りの井上夢人作品でしたが、テンポよく読後も爽やかな短編連作集で秀作でした。
最後にばたばたと終わってしまったのが残念ですが、作者はシリーズ化しようという意図でもあるのでしょうか。
そしたら嬉しいですね、この作品の登場人物、かなり気に入りましたから。