漂白の歌人 西行

イメージ 1

次は西行をUPします、なんて大きい事言わなければよかった。

後悔先に立たず・・・なるほど、こういう時に使うのね、と納得した私でした。

ともあれ、時は桜の季節。西行がいなかったら日本人はこんなに桜が好きではなかったのでは、と言われるくらい、西行と桜は密接に結びついています。

ねがはくは花の下にて春死なん その如月の望月のころ

風に散る花の行方は知らねども 惜しむ心は身にとまりけり

梢うつ雨にしをれて散る花の 惜しき心を何にたとへむ

散るを見て帰る心や桜花 むかしに変はるしるしなるらむ

春風の花を散らすと見る夢は さめても胸のさわぐなりけり


また、月も西行の好んだお題であったようで、

ゆくへなく月に心のすみすみて果てはいかにかならんとすらん

なぜか西行の重複する音は魅力的にきこえます。

世の中を夢と見る見るはかなくも  なほ驚かぬわが心かな

心を歌う歌もかれの哲学を表しながら、優雅な節回しが西行らしいところ

心から心にものを思はせて  身を苦しむるわが身なりけり

惑ひきて悟り得べくもなかりつる  心を知るは心なりけり

「心を知るは心なりけり」
漂白の歌人といわれた西行の生涯が濃縮されたような一首です。

何千もある西行の歌、みなさまのお気に入りの一首はなんでしょうか?