北森 鴻「凶笑面」蓮杖那智フィールドファイルⅠ
る暇がない。今日も那智の命令で、フィールドワークに必要な予算を狐目の教務課担当からどう引き出す
か、胃が痛くなる交渉をさせられている。
集ですが、題材がなかなか興味深いのです。
鬼封会 岡山県の旧家に伝わる祭祀「鬼封会」。踊りの最後に鬼の首を取るという珍しい祭祀に興味
まう。
凶笑面 悪名高い古物商安久津より「凶笑ノ面」と呼ばれる面についての調査依頼が来た。那智と内
藤は「怨念によって死人を出す」といわれる面を調べるため長野県北佐久群へ向かう。だ
が、安久津は土蔵の中で謎の死をとげる。
掛けるが、不思議な造りの離屋で起きた殺人事件に出会ってしまう。女性の歴史の影の部分
が浮かび上がる那智本領発揮の一作。
双死神 日本各地に広がる巨人伝説「だいたらぼっち」と製鉄民族との関連を調査するため内藤は、
た内藤だったが、調査途中、同行者が事故死してしまった。製鉄所の遺跡と共同研究者にな
るかもしれなかった人を同時に失って呆然とする内藤の前に那智があらわれた。
古代の鉄をめぐる伝説と金山毘古、金山毘売の神話、偽装された古墳、税所コレクショ
の謎とスリリングで盛りだくさんの内容。「狐」という不思議な女性も登場して次に繋がり
そうな展開を見せる。
など、歴史の裏側を渉猟しながら秘仏の謎と事件を解き明かす。
た。同性でも惚れるような那智の颯爽とした名探偵ぶり、内藤が演じるワトソン役、どことなくシャーロ
ック・ホームズを思わせる構成です。第3弾まで出版されてるようなので是非続編も読みたいですね。
私は、「双死神」が一番面白かったです。「狐」という謎の女性の今後に期待してます。
お薦め度★★★★