「後鳥羽伝説殺人事件」浅見光彦登場!

イメージ 1

 内田康夫の超有名な名探偵、浅見光彦シリーズ第一作です。

 広島県の三次(みよし)駅、跨線橋若い女性が絞殺された。事件を担当する所轄署の刑事野上は、被

害者の周辺を探るうちに、後鳥羽伝説と被害者が持っていたはずの分厚い本に関わる人たちの死に疑問を

もっていく。

 8年前に被害者とその友人が辿った後鳥羽法皇の遷幸の道筋、そこで起こった悲劇。野上は捜査のルー

ルを無視して単独で事件を追いかけるが、つかんだ手がかりは本部に取り合ってもらえない。

 そんな野上のまえに現れたのが、8年前に被害者の女性の友人で旅行中に事故死した女性の兄、浅見光

彦だった。


スクネさんオススメの本で、内田作品はほとんど読んだことのない私でしたが本書は、旅情と歴史の陰に

隠れた伝説、そして浅見の登場といった主な要素が全て盛り込まれた入門にふさわしい一冊でした。

野上刑事と浅見の間に芽生えた友情、本部と平刑事とのぶつかり合い、そして最後に明かされる光彦のお

約束の推理。なかなかに読み応えのあるミステリーでした。
 

 浅見光彦の登場が妹の死という悲劇がきっかけになっていたのは、初めて知りました。温厚で優しげな

雰囲気をまとう光彦が見せる、鋭く怖いような一面はこういうエピソードがあったからなのかと、一人納

得しておりました。


お薦め度★★★★