「下町酒場巡礼」居酒屋賛歌

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 一読、女であることを呪った本でした

           
     居酒屋といわれる飲み屋は、はっきり言って女人禁制の空間なのです。

            チェーン系の居酒屋のことではありません。ここに紹介されている

イメージ 2     古くて安くて味のある、昔ながらの居酒屋のことです。もちろん

     カップルや女同士の客が断られることはないのですが、

     その場の空気に馴染みながらゆっくり杯を傾ける

             というのは、男性の一人客の特権なのです

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    この本は、三人の書き手が交互に色々な店について書いています。
      
     いわゆる名店居酒屋ではなく路地裏にひっそりと赤ちょうちんを灯す

            小さな古い店が中心です。

 酒も、焼酎、泡盛、ホッピー、スタウトなどへヴィでストロングな男の酒。間違っても、カルピス割と

か、アンズサワーとか出てきません。肴もモツ焼き、煮込み、焼き鳥、レバ刺し、煙と脂とにんにくの香

りが、ページの中から立ち昇ってきそうな、胃袋直撃の重いおつまみばかりです。

 そこに集まる人たちも、サラリーマンよりジャンパーを着込んだ肉体労働者が多い。彼らのひと時の憩

いを提供する店主たちも、いい感じのおじいちゃんや、威勢のいいおばちゃんたちです。


 本文より
「縁が丸くなったコの字のカウンター、木の丸いす、黒光りした柱や天井、掃き清められた土間、大型の

木製冷蔵庫・・・・。魅力的な主人やおかみさんと常連の客たちが、長い年月をかけ練り上げてきた空間

に浸り、酔った。人が酔うのは、酒ばかりではないと思った。」


 幸運にも男に産まれて、こういう雰囲気が好きな方(首都圏限定ですが><)読んだら行きたくなるこ

と請け合いです。


 余談ですが、連れ合いはこの本にめぐり合ったおかげで、大阪、名古屋まで居酒屋探訪に出かけていく

ようになってしまいました。

「下町酒場巡礼」「続・下町酒場巡礼」「下町酒場巡礼・もう一杯」
大川 渉  平岡 海人  宮前 栄 共著
四谷ラウンド


お薦め度★★★★☆(但し首都圏限定の店ばかりです)