高畑京一郎 『タイムリープ』

１０年まえに出版された高畑　京一郎のＳＦ小説です。

時間物というジャンルの傑作です。メディアワークスから出ている高校生向けの本なのですが、一読して

呆然としてしまいました。アイデア、構成そして読後の爽快感は、今までに読んだ海外ＳＦのどれよりも

ありました。強いて言えば「リプレイ」ケン・グリムウッドあたりが、これより上かも・・・。

ブンガクとしてどうなのか、とか作品に深みがないとか、人によって好みが分かれるかもしれませんが

アイデア、構成の見事さは誰もが認めると思います。

最近のＳＦは難しい理論や、慣れるのに時間のかかる異世界ものばかりで、スカッと驚かされたいとの

ご希望がある方には絶対おすすめです。

舞台は現代の日本、主人公は女子高校生です。銀河系もロケットも、変な習慣風俗言語科学を操る異星人

も出てきませんが、センス・オブ・ワンダーに満ちた作品です。

高畑　京一郎の他の作品も読んでみました。電撃ゲーム小説大賞からでた方だったんですね。

この作品を読んで面白かった方、そちらも手にとって見てください。