A・ランシング 『エンデュアランス号漂流』

イメージ 1

また本のお話です。
「エンデュアランス号漂流」A・ランシング

これは、アムンゼンやスコットの影に隠れているけれど南極大陸横断の冒険に出かけた
男たちの奇跡の実話です。
サー・アーネスト・シャクルトン率いる総勢28人の男達。彼らは17ヶ月の間、
ろくな装備もなく、流氷にのって漂流し、その後は手漕ぎの帆船で南極の荒海を
乗り越えて、さらに登攀不可能といわれた3000メートル級の凍った山を越えて
生還を果たしました。

彼らに降りかかる様々な試練は、読んでて息苦しくなるほど壮絶です。
1914年の出来事ですから信じられないくらいお粗末な装備。
南極にいくのにバーバリーの防水コートなんか着てたりW
寒さで凍傷になったり水ぶくれが手のひらにできたら、それが凍って皮の下に
小石が入ってるような状態になったり。
読んでて痛い本でした。でも、やはり一人の死者も出さずに生還したラストは
感動的です。

是非読んでみて欲しい本ですね。
文章は淡々としていて、それが胸に迫りました。

ただ本から目を移し己のふやけた生活を見つめなおすと、ちと恥じ入りますが・・・