合気道のこと

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息子が小学校3年生のとき、お友達の同級生と一緒に習い始めたのが合気道でした。
合気道をやろう、と言い出したのが子供たち2人だったのですが、お友達のお母さんも私も、どこに連れて行けば「合気道」なるものを教えてくれるのか、さっぱり見当もつかずの状態でした。

そのお母さんが、本部を探してくれて、ちょっと遠いけどここに通わせてみましょうか、と言ってくださった。他力本願で、さっそく見学に連れていってもらったのでした。
そこは本部というわりに庶民的なビルの2階にあり、広い畳敷きの道場に男女別ロッカー、控え室、事務所といった地味なところでした。

でも、先生方は1流で、皆さん他の支部の師範を教えるくらいの腕前でした。

週1回、子供たちを連れて通い、自分は見学してましたが小学生の部はまるでお遊戯のよう(笑)型を何度も練習したり正座や礼がきちんとできるようにしたり、基本中の基本をまずは学んでいました。
しかし、広い道場の中央では、大学生や警察官の演武が行われ、そちらはもう別世界^^;
180cm以上もありそうな大男が、気合いもろとも吹っ飛んでいきます。
バーンという畳を叩く音。
スピード感。
すごい光景でした。

しかし、師範の皆さんは何故か普通の体格の方ばかりでした。普通より小柄で華奢な男性もちらほら。
きっと道着を脱いだらそのへんのお兄ちゃんになってしまいそうな人ばかり(笑)
お話ししてみると、温厚で知的。本部勤務なので、外国のクラスもあるらしく英語は最低話せる。

なにか武道や格闘技に対する偏見を打ち砕かれた気持ちでしたね(おい!)

そんな普通のお兄ちゃんたちでも、道着に腕を通し、帯をきりりと締めるととたんに凛々しく変貌します。模擬の刀を持った相手を封じる技や、模範演技のスピード感は見ているだけで面白かった。

そもそも合気道というのは「すれ違いによって生じた力を円運動によって自分の力に同化し、相手の死角に入って相手を制する武道です。(抜粋)」であり「自然の理法に逆らうことがなく、天地自然と一体をもって行う技ですから 無理がありません。即ち、相手の押してくる力、引いてくる力に自分の力を合わせ技を施すため、体格体力の大小強弱、男女、年令にこだわることなく、稽古も過激にわ たらないで誰にでもできる訳です。(抜粋)」という武道らしく、試合といった形式がありません。
すべて、仕手と受けによる組み手の練習で終始します。
つまり強い人、弱い人がない不思議な武道だったのです。


やがて子供達も大きくなると付き添いはいらないよ、と言い出し、私も楽になりましたが、あの凛々しい世界もまたいいものだなあ、と思い出すことがあります。
肝心の息子は正座ばっかりさせられてつまんない、と言い出しさっさと辞めてしまいました(苦笑)
なんと文化を理解しない男よのお・・・。

mepoさんの「空手のこと」を読んでいたらこんなことを思い出してしまいました^^;