太田忠司 『黄金蝶ひとり』

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内容(「BOOK」データベースより)
五年生の夏休み、洸は物心がついてから一度も会っていない祖父・白木義明の住む茶木村で過ごすことになった。アサギマダラという蝶が群れとび、鍾乳洞があり、豊かな自然が残る村には、山を守る“テツ”がいるという。「茶木牧場&白木万能学研究所」なる看板をかかげた祖父は、あらゆることの先生として、村民から尊敬されていた。だが、なにか皆に秘密にしていることがありそうだ。村にかくされているという宝と関係があるのか…。ある日とつぜん祖父が姿を消した。茶木村を観光地化しようと前村長の不良息子が会社社長となって戻ってきたのと、関係があるのだろうか。彼の真の狙いは村の宝にあるのでは…。



太田忠司さん、初めて読んだのですがこれは面白かったですね。
夏休みの少年の冒険の、はらはらドキドキする展開がたまらない。

茶木村の鄙びてのどかな風景の中、様々な謎が現れます。
洸(たけし)はおじいちゃんの小屋で、犬の世話や掃除洗濯、食事の支度などをさせられながら、都会のひ弱な子供から脱皮していきます。
謎の山守、テツ。青帽子赤帽子黄帽子の三人組や、店屋のおばさん、そんなファンタジックに田舎的な人々の描かれかたが、とても気に入りました。

村のなかにある深い鍾乳洞。
そこには他にもなにか謎がありそうです。
村に伝わる宝物とは?
テツは果たして味方なのでしょうか?
おじいちゃんにも秘密があるようです。

そして最後にあかされる謎。

子供の頃に出会っていたら、とんでもなく影響をうけたのでは、と思わせます。
作者のメッセージも素敵でした。

作者の用意した仕掛け、ポーのある小説にでてくる暗号です。
それを解くと、とても素敵な・・・。これは言わない方がよいでしょうね^^。

お読みになった方向けに下に反転で載せておきます。

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A Fable about summer and children
I am here, You are not alone.
(夏と子供たちについての寓話。
私はここにいる、君達はひとりではない。)