雨降りだからミステリ-でも勉強しよう・レポートその2

この言葉にピンとくる方は失礼ながらある程度年齢を召した方だろうと思います。

60年代から70年代にかけてブレイクした、植草甚一なるエッセイスト。
実は1冊も読んでいない私にJJ(こう呼ばれてた)を語る資格はありません。

しかし、ミステリという言葉にルーツを求めると、どうもこのあたりに辿りつくような気がするのです。
創元推理文庫のおじさん顔のマークに大変お世話になった私としては、あくまで「推理小説」は「推理小説」と呼びたいのですが、「ミステリ」という語感の容量の広さ、深さはやはり昨今の作品群を読むと使わざるを得ないようなところがあります。

英米文学に造詣が深く、いろいろなペーパーバックを読み散らしていた植草氏。
ミステリーという言葉がもつ軽くて猥雑な気分がタイトルから感じられますね。あくまでタイトルだけですが^^;

当時、晶文社からぞくぞくと刊行された植草氏の諸作品は、映画、ジャズ、ミステリ、そして海外の雑誌記事やらファッションやらをテーマに、自在な語り口でエッセイに仕上げた(らしい)、若者必読の洒落た本だったのです。
この「洒落た」ところが、どうも当時の私のへそ曲がりに引っかかってしまって、売れまくっていたことも気に食わないという悪い癖が出て、結局今日に至るまで1冊も読んでいない、ということになってしまいました。

いま、その著作のタイトルを見ると、さすが、生涯に渡って雑学と散歩を愛した氏の軽やかな姿勢がうかがえて、とても食指が動く作品ばかりです。
サブ・カルチャーを語る巨匠の作品は既に「絶版」ばかり。
まあ、図書館にでも行って、30年ほど遅れてきたファンとなるのもいいかもしれません。

記事のタイトルは氏の代表作の一つ。
他にも
ヒッチコック万歳!

ハリウッドのことを話そう

ぼくの読書法 

アメリカ小説を読んでみよう 

クライム・クラブへようこそ 

探偵小説のたのしみ

小説は電車で読もう

など魅力的なタイトルの作品がよりどりみどりです。

ミステリについて考えていたら、こんな昔のおじさんのことを思い出してしまいました。