本楽大学ミステリ学部レポート『ミステリ・ネタばれ秘話』

自分で出した課題レポートを自分でやる大学の校長なんて、見たことも聞いたこともないでしょうが、さすが(どこが?)本楽大学。
校長も課題提出いたします^^。

「ミステリと私」を語る上で避けては通れないある事件。(実は過去記事のコピペ)
ミステリー悲話「訴えてやる!」でもうお読みになった方も多いと思いますが、最近お付き合い始めた方もいらっしゃるので、2番煎じながら載せてみます。
凄い勢いで優秀な作品がトラックバックされてますが、こういう手もありですのでお気軽に投稿してください。(決して手抜きの勧めじゃありませんから(笑))

以下コピペ^^;

これは、ネタばれに関する悲しい実話です・・


 私がいわゆるミステリーを読んだのは、ヴァン・ダイン「グリーン家殺人事件」でした。小学校6年生
の終わりごろです。それ以来、創元本格推理物にすっかりハマってしまった私はヴァン・ダインから読み
始め中学入学を迎えました。

 そこでエラリー・クイーンのファンである同級生と出会い、二人で「ヴァンスのが頭いい」とか「エラ
リーのほうが偉い」とかくだらない論争を繰り広げておりました。彼女もクイーンの4部作を「Xの悲
劇」「Yの悲劇」まで読み終え「Zの悲劇」の読みかけといった所でした。

 忘れもしないバスの中での出来事でした。すっごく面白かったと言う「Yの悲劇」について友人は力説
していたのですが、こちらの反応はイマイチでした。業を煮やした彼女は「犯人がビックリなんだか
ら!」と言いたそうにしています。まさかミステリー史上不朽の名作とは知らない私は「へえ、誰だった
の?」とあっさり尋ねてしまったのです。

私のバカバカ~~!


 うれしそうに彼女は犯人をばらしてくれましたw

 そうです、全部私が悪いんですT_T

後で「Yの悲劇」がクイーンの最高傑作の一つと知って、悔しさに歯軋りしようが、頭を床柱に打ちつ
けようが知ってしまった犯人の記憶はもう消えません。こうして、私のベストミステリーから「Yの悲
劇」は消えていったのです。

 何年か後、「Yの~」衝撃に立ち直っていた私は、再び100t級の衝撃を受けることになりました。
ミステリーの読み方が偏っていた私は、最初のうちクリスティー物をほとんど読んでませんでした。
 ある日「世界のミステリー紹介」みたいな名前の書評を読んでいました。ニャるほど、クロフツ
あ・・・などとくつろいで読んでいたその時!

ぬあにい~~っ!こ、これ、犯人ばらしてるよ~~~!!


 しかも、悪質なことに一つの文章で「アクロイド殺人事件」と「オリエント急行殺人事件」の両方をば
らしているんです。

「終わった・・・私のクリスティーは終わった・・・。」

 失意の私はその後しばらくクリスティーに触れることはありませんでした。
 今だったら読書界追放ものですが、(もちろん、ここからはネタばれなんていうお断りなしです)その
頃はゆるされたんでしょうねえ。いや、その後追放されたかも。

 あの衝撃のトリックを知ってしまった私は、クリスティーを読む楽しさの2/3は失ったような気がしま
す。
 それでも結局ミステリー中毒者となって今日まで読んでいるってことは、ミステリーがとてつもなく魅
力的なジャンルだからでしょうね。

 結局その後「Yの悲劇」「オリエント急行」は読みました。「アクロイド」だけは、ケッて感じで読む気になりません。(さすがに・・・)

こんな悲惨な体験、私だけで充分なのですが、最近はミステリ大賞の講評までネタをばらしているような無神経な諸氏がいるとの情報もあり、油断ならないですね。

こんな頼りない校長ですが、ミステリ好きで本が好き。
同好の志ということでよろしくお願いいたします。