投票結果を振り返る 【その2】

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前回の続きです。

【本の楽しみ⑤食・動物】

236 ページ繰る指冷たさに猫を抱く             Cuttyさん
244 緩(のろ)き蚊を本で逐(お)ひたり九月尽(くがつじん)アニスさん
193 ミステリイ手に晩秋の夜長酒              アニスさん
241 本を閉じ 見上げた空に 赤とんぼ            pockinonさん           
217 柿食ひて『誰が為に~』を読む糸瓜忌(へちまき)や   まぁさん
237 吾等にも紙魚(しみ)にも来たれ同じ秋         アニスさん

やっと⑤まできてmepoさんのブログにたどり着きました^^;このボリュームは凄かったです。⑤ですが、レベルが高く、好みで選びました。236,244は、全部を合わせてもTOPに来るほど好きな作品です。

236,244が今回の川柳大賞ではベストな作品でした。
なのに2句とも何故か決勝に残らず><。。これは納得いかないと思い「マダム白猫賞最優秀賞」を進呈いたしました^^。

236 たった17文字の中に詠み込まれた深い感情が伝わる一句でした。
    指の冷たさを猫の温もりで温めようとする女性。その寂しさや哀しみが胸に迫りました。
    マダム白猫賞を進呈いたしました。
244 これは、こなれた、詠み慣れた方の作品だと思い、ちろママさんあたりを予想していた句です。
    敢然として余す所ない、バランスのよい句です。本は岩波文庫では、という意見がありましたね
    マダム白猫賞を進呈いたしました。
193 これはCuttyさんの句ではと予想したのですが、またまた、アニスさんの作品。
    とてもすんなりした、素直な作品で一読「飲みたいなあ」と酒への欲求が高進する危険な一句。
241 実はこの作品、凄く好きになってしまったんです。
    投票の時より今のほうが数倍好きなのですが、素直な作品で爽やかな秋の風景が鮮やかに捉えられてますね。
217 「鐘が鳴るなり」を省略して「誰が為に鐘がなる」を持ってくるところに面白さを感じました。
    上手いですよね。鐘という言葉を使わないで夕暮れの鐘の音を連想させるなんて。正岡子規の命日の鐘でしょうか?
237 紙魚という言葉でまぁさんの句だと思いました。
    紙魚と吾等を同等に見立てているところが面白いですね。

241のみ決勝進出。ここは、ほとんど残りませんでしたが、とても良い句が多くレベルの高いカテゴリーでした。
    

【本の楽しみ⑥あなたへの句】

267 本を読む人見ていたき午後三時(ある公園の噴水の前)  アニスさん
245 天高く妻肥ゆる秋 僕は本                まぁさん
258 落ち葉散る カフェで本読み 誰を待つ          素朴なOLさん
246 秋深し 母の胸にて 本を聴く              みーさん
253 「本」と「私」とあなたどっちが大事なの?(「本」と答えて大喧嘩せり^^;)アニスさん
278 SFもホラーも酒も究めたる(副会長秘書マダム?しろねこ)アニスさん 

⑥はすごく身近な優しい視線の感じられる句が多くて、個人攻撃シリーズなど楽しく鑑賞いたしました(笑)278はやはり1票いれちゃいますね^^。245の「妻肥ゆる秋 」は「妻恋ゆる秋」にかかって、ご馳走様の一句でした。246は愛らしいし「本を聴く」がよかったです。

ここは255の大賞作品があったのですが選べませんでした。
同じ作者でも「本を読む人~」を一位にしてますね。恋愛物をお医者さんに止められているからかもしれません(笑)
なんと52句中30句がアニスさんの作品でした^^;

267 変化球投手アニスさんの初々しい作品。こんな心情になったのは・・・いつからなってないかなあ^^。
245 ユーモアたっぷり。私も秋は気をつけねば(笑)
258 素朴さんの句はロマンチックですね。あの彼を待っているのでしょうか?
246 「本を聴く」にしびれました。母の胸の温かさや鼓動まで感じ取れる作品ですね。
253 今の奥様でしょうか?それだったら土下座ですよ、やっぱり(^^;)
278 みんな究めてませんが、ホラーは好きですね。ありがとうございました^^。

245、258が決勝進出です。

ここで一句。
月読みの詠める川柳いとおかし(やはり投げるは変化球なり)


【本の楽しみ⑦その他Ⅰ】

306 『にごりえ』を一葉で買う茶目っ気で          まぁさん
320 捕物帖読んで「あっしはね」と気どる 月の骨さん
330 夢、活字 行きつ戻りつ 車中かな ちろママさん
328 追う文字の暗さで気づく夕まぐれ            アニスさん
305 気がつけば懐寒し本楽家(されど心は澄める秋空)    アニスさん
335 今日こそは 妻の居ぬ間に 袋とじ            みーさん

⑦は色々なジャンルがあって時代物に引かれました。306は正しい川柳という感じですね。305は素直な姿勢と共感を呼ぶ内容(笑)に一票です。

時代物シリーズ、ほとんどが月野さんだったんですね。
gakiさんの「川柳に 収まりきらぬ われを見て」は読み返しているうちにとてもいいなと思ってきました。
時間がたってみて、しみじみと心に響く作品もまた多かったです。

306 王者まぁさんの面目躍如の一句。今回の作品のなかでも群を抜いているのではないでしょうか?(しろねこ独断^^;)
320 すっかりあざらし。さんになりすましてくれました。(違う?)思わず笑みがこぼれるような作品でしたね。
330 電車の中の読書、ついうたた寝してしまいますが、「夢、活字」という言葉で見事に表現されてます。
328 これは、あるなあと思った一句。漫画なんか読んでるとすぐこうなります(笑)
305 ちいらばさんではないかと思っていましたが、アニスさんとは!本楽家の懐具合は夏でも寒いんですよね^^。
335 吹き出してしまった一句。女性の作品とは思いませんよね、誰も!私はまた、団長がやってくれたんだと思っていましたよ(爆)

306,320が決勝進出です。

【本の楽しみ⑧その他Ⅱ】

342 ジャズ喫茶 「枯葉」で粘る 文庫本 (ビル・エヴァンス・トリオ「枯葉」より^^;)あんごさん
363 借りた本 返せず疎遠の 友もおり             ちろママさん
360 字を覚え 「の」の字をみつけ子ははしゃぐ         ちろママさん
376 蟹しゃぶる 文豪たちの 湯治場で             みーさん
354 寝ころんで広げた本の銀河系(このまま空に落ちていきたい)アニスさん
370 破られるためにありしかパラフィン紙           アニスさん


ついに最後の⑧です。363など人生を感じさせる一句です。370は同感!邪魔臭いですよね~(笑)

ここはバラエティに富んでいて、その中でもちょっと異色な作品に心惹かれたようです。

342 詩人と思っていたあんごさん。やはり素敵な作品を投句していたんですね。白猫賞を進呈いたしました。
363 本の貸し借りって、こういうことありますよね。疎遠になっても本を見て思い出す友。やはりちろママさんの句は深いです^^。
360 これも好きな作品。子供を持つ母の目、愛情深く、注意深く見守っていらっしゃったんですね。白猫賞進呈いたしました。
376 「蟹しゃぶる」のインパクトがいいですね。17文字のなかに色々な要素が盛り込まれていて感心しました。
354 素敵です。足穂の「人間人形時代」の装丁を彷彿とさせる情景が浮かびます。
370 そうそう、破けますね。注意してもビリッと・・・。ちょっと高い箱入りの本などもこれが掛かってました。実感。  

なんと決勝までいったのは354のみでした><。。
けっこう投票した作品が決勝に残らなかったのも今回の特徴でした。
でもとても楽しい企画でしたね。

最後まで、お付き合いくださってありがとうございました。
他の方も振り返り記事をUPされているようです。
自作の句の解説もあり、まだまだ楽しめそうな川柳大賞です。

各作品の解説っぽい文章は素人のものですので、作者の解説のほうを信用してくださいね^^。


最後にめぽさん、たいりょうさん、素晴らしい幹事役でした。
ありがとうございました!!