投票結果を振り返る 【その1】

今回の川柳大賞で自分が投票した句を、アニスさんに倣って振り返って見ることにいたしました。
私のコメントは各カテゴリーに載せていただいてますが、数字だけだと分かりにくいなあと思い、自分一人のために記事にしてみました。
まとめてビックリ、アニスさんの句を48句中18句も選んでたのです。
あらためて今回のアニスさんの活躍ぶりに感心いたしました^^。

それにしても、いろいろなタイプを選んだつもりだったのですが、アニスさんには本選ではやられっぱなし、ということだったんですね!
そして2位がまぁさんと月野さんの6句。
まぁさんはさすがにレベルの高い作品が多かったですね。
月野さんの作品はもうホントに可笑しくて、ツボにはまったのがいっぱいありました。恐るべし!バカミス推理通!

お暇があるかたは、つらつらとご覧になって下さい。
しろねこの好み、傾向がわかります。


【本の楽しみ①自然Ⅰ】

26 曝涼(ばくりょう)の書を繙(ひもと)きて秋の風	アニスさん
31 秋の風架空の森を抜け来たる	             アニスさん
40 言の葉のように木の葉が舞い落ちる          Cuttyさん
12 絵本読む 吾子の上に 紅葉落つ            えむこぶさん
25 吹く風に頁を繰らせ竹の春              アニスさん
20 武蔵野の森に分け入り栞狩り             ごはんさん

まず、これだけのボリュームを読んで選ぶのは思ったより大変で、力作を落としていくのが辛かったですね。①は風流な紅葉、銀杏などを詠んだ句が並び割を食ってしまったのでしょうか。紅葉の句は選べませんでした。一位は音の華麗さで、2位は架空の森という言葉に、3位は喩えの面白さに惹かれて1票いれました^^。

なんと1,2位をアニスさんに入れていたんですね。

26 曝涼の句はとても好きな一句です。マダム白猫賞を進呈しました^^。
31 架空の森という言葉、思いつかないですよね。恩田陸を彷彿とします。
40 言の葉と木の葉をかけた、秋らしく美しい作品でしたね。
12 落ち着いた感じの愛情豊かな一句です。
25 竹の春という言葉を上手くお題の本にあわせているなあと感心。
20 落ち葉と栞を重ねて詠んだ、いろいろな作品の中で栞狩りという言葉が新鮮でした。

結果は31と40が決勝進出でした。


【本の楽しみ②自然Ⅱ】

55 侘び住まい 贅沢にする 本と月            あざらし。さん
47 月あかり射して地上の霜となり(李白「静夜思」を思いて)アニスさん
57 十六夜にいざ良い本をと洒落てみる          まぁさん
49 Moonshine我もタルホになる夜ぞ           アニスさん 
52 月下独酌詩聖を気どる良夜かな            アニスさん
61 月明かり 本から妖(あやかし) わらわらと      あざらしさん  

②は技巧的な句も多く読みごたえある部門でした。55と47は同点ですが僅差で「贅沢とわび住まい」の対比の面白さで55としました^^。 

こはちょっと捻りの効いた、面白い句が並んで選ぶのも大変でしたが楽しかった部門ですね。
また、3句もアニスさんの作品を選んでます^^;

55 これもとても好きな作品。「絵のない絵本」を思い出す詩情豊かな句ですね。
47 美しいですね。凍てつくような月の光、静寂に満ちた漢詩の世界が目の前に広がるようでした。
57 まあさんらしい、洒落の効いた作品。ちょっと苦しい洒落がたまりません(笑)
49 マダム白猫賞を進呈いたしました^^。稲垣足穂の透明感ある世界が表現されていて上手い!と思いました。
52 ここは6句全てに月があるのを選んでますね。この句も酒、詩、月の3つが、とても気持ちの良い夜を演出していますね。
61 6位にしましたが、投票後ちょっと後悔。これは楽しい作品ですよね。もっと上位にするべきでした。

55,57、61が決勝進出。


【本の楽しみ③読む・本Ⅰ】

105 待チ合ワセハ岩波文庫ノ書棚前(ソコガ一番空イテイルノデ)アニスさん
115 売りに行く新潮文庫を100冊分              月の骨さん
137 長編を秋の百夜に読みつなぐ	              まぁさん
124 読み終わり 潤む目見上げる 空高し(出口のない海)   あざらし。さん
113 ほらあのそのちくま文庫の例のやつ           月の骨さん 
103 「買っときなよ」「次はないよ」と古書が呼ぶ      アニスさん

③はすごくバラエティに富んでいて選ぶのに苦労しました。考えてるうちに分からなくなった部門です><。。ちょっとユーモアの色味が強い作品に票をいれたようですね^^。

アニスさん、月野さんに2票づつ入れてますね。
やはり今回目立って面白かった月野さんの文庫シリーズを思わず選んでました(笑)

105 カタカナでくるとは!仮名文字の効果ですね。電報でもうったのでしょうか?マサカ^^;
115 吹きだしてしまった一句。売るんかい!とツッコミを入れた方もいっぱいいたのでは?
137 このカテゴリーに入って損をしたかもしれない正統派の一句。とても好きな作品なのですが、105、115のインパクトに眼を奪われこの順位に・・・。
124 素直にじーんと胸に迫ってくる作品です。でも、こんな気持ち、なかなか詠めないです。
113 またまた月野さんでした。あっけらかんとした笑いをさそう秀作です^^;
103 呼ばれて振り返ったら最後、諭吉が消えていくんですよね。ちいらばさんだと思っていましたが、これまたアニスさん。バラエティに富んだ作品を作られたんですね。


137、103が決勝進出です。

【本の楽しみ④読む・本Ⅱ】

156 乱歩読み次は夢野を読みまくる             月の骨さん
139 ♂!!♂!!と、秋空に響く、音読の声         たいりょうさん
170 あけがたの 透明になる 読後感             あざらし。さん            
157 密室に置き忘れた本読めゃしない            月の骨さん
158 白猫に思わず年訊く推理癖               月の骨さん
166 そぞろ寒一枚羽織りて本を読む             まぁさん

③よりもっとユーモア路線の④ですが、やはりダジャレ系を多く選んでしまいました。158の失礼な一句に手が滑って1票入れてしまいました(爆)その中で170は清涼感のある作品で素敵でした。

ここも濃い目の味付けが多くて(笑)182以下まぁさんの素敵な秋と読書の句があったのに、月野さんに持っていかれてしまいました(笑)

156 芭蕉本歌取り。ミステリ好きにアピールする、2大巨頭。素晴らしい作品でした。マダム白猫賞を進呈いたしました。
139 一読大爆笑!今回一番の鉄板句。しかもなんだか無意味に元気になってくる副作用つき(爆)
170 徹夜で読んでしまった本。その感動と明け方の爽やかさが重なるような美しい作品。
157 そりゃそうだよ!と膝を叩いて笑ってしまった一句。
158 誰?こんな失礼な句を詠んだのは?(笑)マダム白猫【命しらず賞】進呈いたしました。
166 そぞろ寒という言葉、きれいですね。秋口の涼しさが伝わってきます。

170、166が決勝進出です。

その2に続きます。