ダン・ブラウン『デセプション・ポイント 上・下』

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 ベストセラー作家ダン・ブラウンの新作です。

 といっても、もうだいぶ以前に発売されていたのですが、やっと図書館から借りられました。この作家

の特徴は、とにかく面白い、ページをめくる手がもどかしい、専門知識が必要な内容をあっさりと解かり

易く解説しながらぐいぐい読ませる、といった所でしょうか。


先に出版されている「天使と悪魔」「ダヴィンチ・コード」はドライデンという学者のシリーズで、内容

キリスト教バチカンの陰謀、中世の秘密結社などが描かれていました。今回は、全く違った設定で、

アメリカ大統領選にからむ陰謀、NASAの発見した隕石の謎などが話の中心となっています。主人公も二人

の魅力的な女性で、それぞれの立場で謎に迫っていく過程がおなじみのスリリングな筆致で進められてい

きます。

アメリカ大統領は次の選挙を控えて、対立候補セクストン上院議員の激しい追い上げにあっていた。

セクストンは政権の批判を何百億ドルも浪費して成果のあがらないNASAにしぼって攻撃していた。娘レイ

チェルは国家偵察局に勤めていて、父との関係が微妙に対立することになってしまった。

 そんな中、レイチェルは大統領に呼び出され仕事を頼まれる。だが、一切内容は伏せられたまま彼女は

慌しく専用機に乗せられ行く先も知らされず送り込まれる。

 付いてみると、北極のミルン棚氷の上に作られたベースキャンプのような巨大な施設だった。そこはNA

SAが管理する研究所でもあり、民間の著名な学者たちが集められていた。


 世紀の大発見・・・レイチェルの手に渡された隕石のかけらには信じられないものが含まれていた。


NASAが探査衛星で発見した隕石、それはとんでもないものだった。それが、まぎれもない本物である事を

証明するため、組織ではなく民間の有名人が呼ばれたようである。海洋学者、宇宙物理学者など専門家が

調べた結果は本物であった。 


 何が入っていたかは読んでからのお楽しみとして、この本を読んで主人公のレイチェル、順主役のガブ

リエール、それに脇役の女性たちが個性豊かで魅力的なことに気付きました。あまりダン・ブラウンの小

説では感じた事なかったのですが、大統領上級顧問のテンチなどは個性的すぎてほとんど化け物です

(笑)

最後まで楽しませてくれる徹夜本でありました。