№13 「えをかく」 (長)
あさ
絵をかく
いろんな色のインクで
みみずのおっさん
えをかく
なにもなくても
どろにんげん
えをかく
へんなおにぎり
キウイじいさん
えをかく
みんなびっくり
№14 「絵をかく」 (花)
あさ
絵をかく
いろんな色のインクで
くるくるくる
るるるるる
くっついた
なにかな
しってるねん
なないろ山のひみつ
だれかな
しってるねん
わたしのいもうと
№15 「檻」 (桜)
あさ
絵をかく
いろんな色のインクで
草原に続く赤い道
緑の我が家
バラ色の雲
白の鳥と黒の鳥
青い眼の狼
茶色の服の男
色と形と音の瞑想
透明な旅路と
透明な色した少女のために
№16 「王は三界に遊ぶ」 (鳳)
あさ
絵をかく
いろんな色のインクで
虹色の階段
飛ぶが如く
砂の王
あさきゆめみし
王の挽歌
終りなき平和
時の地平線
はてしなき物語
夏への扉
№17 「えをかく」 (応)
あさ
絵をかく
いろんな色のインクで
夏への扉
あなたに似た人
赤糸で縫いとじられた物語
夜の蝉
遠い太鼓
散歩しながらうたう唄
螺旋
月の裏側
もし星が神ならば
№18 「心の奥底」 (陽)
夜歩く
高い窓
七つの時計
夏の闇
森羅万象
夜の公園
天使の耳
怪しい人びと
嘘をもう一つだけ
白夜行
あの日を探して
むかし僕が死んだ家
№19 「RPG~夜の隅で探すもの」 (玉)
夜歩く
高い窓
七つの時計
夜ひらく
湖底の森
七つの金印
銀の檻を溶かして
不在の鳥は霧の彼方へ飛ぶ
其の逝く処を知らず
地図のない道
地図にない町
神の子どもたちはみな踊る
№20 「男たちの流儀」 (時)
夜歩く
高い窓
七つの時計
燃ゆるとき
ル・マン、午後四時
ただ栄光のためでなく
挑戦者たち
不撓不屈
突破者
男のうた
勇者は語らず
人生の流儀
№21 「空を見上げる古い歌を口ずさむ」 (猫)
夜歩く
高い窓
七つの時計
百億の昼と千億の夜
そこへ届くのは僕たちの声
それから
点滅するシグナル
水中庭園アロワナ
夢十夜
春の嵐
ゆりかごを揺らす手
凍りつく骨
№22 「あたしが帰る家」 (宵)
夜歩く
高い窓
七つの時計
冷えきった街
時計を忘れて森へ行こう
森は生きている
知りすぎた木々
月のしずく
闇を裂く道
夜明け前
長い家路
裏口は開いていますか?
№23 「夜想曲」 (暁)
夜歩く
高い窓
七つの時計
夜市
きらきらひかる
黄金の鍵
桜宵
月の船でゆく
時の旅人
彼岸花
本当は知らない
最後の記憶