内田康夫「平家伝説殺人事件」
浅見光彦シリーズ2作目の作品です。四国高知の山村、平家の落人伝説が伝わる村、そんなロマンチック
な舞台で光彦が少女と恋に落ちる。なんと口づけまで交わしてしまう、最初の恋が描かれています。
20年前の伊勢湾台風が奪った何千もの命、そこに偶然い合わせた二人の少年。運命は20年後に悲劇
を起こす。発端は一人のホステス萌子を巻き込んだ偽装結婚だった。3人の男女が共謀して保険金詐欺を
たくらみ、計画は萌子の夫がフェリーから転落死して成功した。しかし、事件は首謀者の自室窓からの転
落死と、さらに謎をはらんで発展していった。事件に不信を抱いた浅見光彦は、転落死した男の故郷、平
家隠れ里の伝説が残る高知県の山村へと向かう。
そこで出会う少女佐和は、野生的な魅力に満ちた素敵な女性に描かれています。予知能力がある神秘的
な魅力、一途な光彦への思い。本格推理としてのバランスのとれた面白さもあり、佐和との淡くはかない
恋もあり充実した一冊でした。
お奨め度★★★
ほんとは★4なんですが、今も光彦を待っているかもしれない佐和の心情を思うと★3ですね^^
ほんとは★4なんですが、今も光彦を待っているかもしれない佐和の心情を思うと★3ですね^^