耐震データ偽造問題について
この問題はけっこうショックでした。
グランドステージシリーズの一つを私もほんの少しですが関わっていたことに気付いたのです。別に
構造自体は関係なく、そのマンションの設備に関わっただけなのですが、やはり取り壊しとか報道される
となにかいやな感じがするものですね。その時、納まりを検討するとき姉歯の図面も見ていたのだと思い
ます。
それはともかく、建築物という何十年も使用され人が住んだり宿泊したりするいわば、生命を預ける
ような施設を建てる会社がここまで倫理を欠いているのかと恐ろしい思いを抱きました。よく手抜き施
工という杜撰な工事をしている下請けの話は聞いていました。しかし、計画段階から不良品を作り上げる
メンタリティーとはなんなんでしょう?物づくりの精神、誇りはいったいどこへ消えてしまったのでしょ
うか?姉歯が自発的に偽造するわけはなく、誰かが命じてやらせたわけでしょう。偽造データに基づいて
作られたマンションが倒壊して生命が失われる、そこに思いが及んでもなお金もうけがしたかったのでし
ょうか。色々関係者が国会に呼ばれて質疑を受けているようですが、真相は私のようなものには最後まで
解からないのでは、と感じています。土建、建築業界の闇がここまで深いのかと暗澹としてしまいます。
関係者は町のチンピラではありません。皆、スーツを着た紳士然とした人たちです。国家資格である
建築士という立派な肩書きの持ち主です。でもやってる事はチンピラ以下です。
この問題は、政治家や行政も巻きこんで広がり始めたようですが、答弁を見ていると昨日の友は今日の
敵と言う言葉を思い出しますね。関わった何社かが互いに責任をなすりあい、あいつが圧力をかけたとか
あいつがチェックミスしたからだとか醜い争いになってきたようです。一番の被害者である住人の参加が
ないのも、なにか納得できない気がします。
最後は政治がのりだして住民の救済にあたらなければ解決はないでしょうが、日本の政治や行政がどこ
までやってくれるのかは、はなはだ心もとないと思わざるを得ません。